いすみの出口商店で蔵元招いて「聴酒会」 築130年の旧店舗活用
地酒の飲み比べが楽しめる「お酒の楽喜 聴酒会(ききざけかい)~岩瀬酒造の会~」が12月20日、出口商店(いすみ市大原)で開催された。(外房経済新聞) 【写真】「岩の井」について説明する岩瀬酒造の庄野さん 1892(明治25)年に卸酒屋として創業した同店。大原駅徒歩5分の大原商店街に店を構えていたが2005(平成17)年に国道128号線沿いの店舗「酒楽喜(さけらっきー)」での販売も始めた。 同イベントを企画した出口宏希さんは「多種多様な酒を取り扱う同店の強みを生かし、より酒に親しんでもらえたらと考え始めた。イベント名も、蔵元や酒にまつわる話を聞くという思いから『聴酒会』とした」と話す。 「自分が小学生の頃、19年ほど前に「酒楽喜(さけらっきー)」での営業が始まった。現在、旧店舗は『はだか祭り』の開催期間、みこしの担ぎ手たちが休めるよう開けるが普段は閉めている。昔ながらの雰囲気が良く、何か活用ができたらと考えていたところ、日本酒と旧店舗の雰囲気がマッチするのではと思い、この場所で開催することにした」という。同会場での開催は今回で3回目。 当日は、御宿町の岩瀬酒造庄野智紀会長を招き、酒造りについて話を聞きながら、参加者は「岩の井」の6種類の酒の飲み比べを楽しんだ。大原漁港で水揚げされたタコやタイの刺し身、すしも並んだ。庄野さんが各テーブルを回り、参加者と交流する姿も見られた。 参加した同市在住の30代男性は「日本酒が好きなので、楽しみに参加している。おいしい酒だけではなく、昔ながらのこの雰囲気がとてもいい」と話していた。今回は過去最高の17人が参加。中には東京から参加した人もいた。 会場には昔ながらの看板や当時を伝える古い写真やポスターなどがそのまま残る。出口さんは「古い建物なので、壊して更地にしてはどうかという意見もある。ただ、この場所には可能性があると感じている。商店街の中にあるので、そのまま閉めているのはもったいない。イベントをきっかけに、活用できる方法を探っていけたら」と話す。 同イベントは今後も継続し、次回は1月17日に予定する。
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