【ジャパンC予想】ドウデュースは『前有利』を差し切りで評価せざるを得ない
天皇賞(秋)を勝利したドウデュース(牡5、栗東・友道康夫厩舎)、G1レース6勝を引っ提げて来日したオーギュストロダン(牡4、愛・A.オブライエン厩舎)。二冠牝馬チェルヴィニア(牝3、美浦・木村哲也厩舎)らが参戦する第44回ジャパンカップ(3歳上・GI・東京芝2400m)。 【写真】ドウデュースこれまでの軌跡 この最高峰の一戦を新進気鋭の“回顧派”予想家「Orfe」氏はどう見るか。前哨戦の分析を中心に展望する。 (文=Orfe) ◆前哨戦分析 ジャパンCの主要な前哨戦3レースについて、私の提唱しているレースバイアス(展開・馬場などレース結果に影響を与えたであろうバイアスの総称で最も影響が大きい4角での位置取りを基に独自の基準で判定。以下RBと表記)に基づいて検証したい。 ・有馬記念(GI):『フラット』/逆バイアス好走馬=スターズオンアース 8枠からスターズオンアースが好スタートを決め先団を窺う中、やや出負け気味のタイトルホルダーが押してハナへ。ホームストレッチ付近から後続を離して逃げる形も前半1000m通過が60.3秒とそれほど速くはなく気分よく逃げ、後続は実質スローペースで脚を溜める形に。 タイトルホルダーが早めのスパートを図り、スターズオンアースがそれを差し切りにかかる中、外からドウデュースが強襲し1/2馬身差で勝利。上位陣は各馬力を出し切った印象でRBは『フラット』と判断する。 ・秋華賞(GI):『内有利』/逆バイアス好走馬=チェルヴィニア ローズS同様にセキトバイーストが大逃げも今回は前半1000m通過57.1秒の超ハイペースでレースタイムも1.57.1と近年では異例の高速決着となった。高速ラップで外を回す負荷は高く1~3着馬は能力が抜けていた印象で、4~8着馬が4角で内2列以内を立ち回っていたためRBは『内有利』と判断。 上位3頭に関しては3着ステレンボッシュは出遅れがあったうえに、直線で馬群を捌く際に詰まるシーンもありで、チェルヴィニア>ステレンボッシュ>ボンドガールの評価。 ・天皇賞(秋)(GI):『前有利』(暫定)/逆バイアス好走馬=ジャスティンパレス・ドウデュース ホウオウビスケッツが先手を主張し、リバティアイランドが道中7番手からポジションを上げた以外は大きな動きがなく、各馬長い直線に備える動き。そのため緩いペースで流れたこともあり、逃げたホウオウビスケッツが上がり3F 34.0秒でまとめた中で、勝ち馬ドウデュースは直線だけでほぼ最後方から豪脚を繰り出しまとめて差し切った。 2着に4角5番手のタスティエーラ、3着に逃げたホウオウビスケッツ、5着に4角5番手マテンロウスカイが残り、RBは『前有利』の判定。 ◆狙い馬、過大評価禁物の馬 これらを踏まえてジャパンCでまず狙いたい馬はドウデュース。前述の通り天皇賞(秋)は『前有利』なRBでこれを15頭立て14番手から直線だけで差し切った内容は秀逸で、さすがに評価をせざるを得ない内容。 次にスターズオンアースを挙げておく。前走はドバイを使っているが私の前走回顧では海外レースは除外しているため2走前の有馬記念が判断材料になる。その有馬記念のRBは『フラット』。『フラット』の場合次走最優先で狙いたいのが着差0.2差以内かつ上がり5位以内のパフォーマンスを出した馬。スターズオンアースは着差0.1かつ上がり4位でこれに該当する。 今回ドバイシーマクラシック以来、中34週の休み明けとなるが、そもそもドバイを除けば国内は3-5-4-0/12のパーフェクトという成績で、その中には中21週の秋華賞3着、中24週の大阪杯2着、中28週の昨年のジャパンCと半年前後の間隔を空けたレースでも問題なし。 一方で過大評価禁物な馬としてまずはオーギュストロダンを挙げておく。先述の通り私の理論は海外レースを対象としていないため、評価不能な人気馬という扱いになり、前走RBに反して好走した馬を狙うという理論にも該当しない。日本競馬への適性も未知である以上、この馬に重い印を打つ=過大評価という扱いになるのは言うまでもないだろう。 もう1頭ダノンベルーガも過大評価は禁物。こちらは人気サイドには推されないだろうが前走の天皇賞(秋)は『前有利』なRBでこれを5番手から伸びあぐねて14着。昨年のジャパンCでもRBに恵まれながら大敗しており、古馬になってから馬券に絡んだのはドバイターフのみとなると距離延長はプラス要素にならない。