EXILE TRIBEが紡いでいくLDHの伝統と志 12グループが集結した『LDH LIVE-EXPO』レポート
一気に駆け抜けていくEXILE TRIBEに受け継がれる名曲
そしてライブはいよいよ後半に差し掛かり、いったん切り替えと言わんばかりにTRIBEの各メンバーがノリノリでフザけるコント映像が流され、一気に和やかな空気に。しかしそこからはLDHの大きな特色の一つ、今回は総勢65人がぶつかり合う白熱のパフォーマーバトルへと移行する。特別ゲストとして登場したSWAYがDOBERMAN INFINITY仕込みの煽りで客席を沸かせた後、EXILE TRIBEのパフォーマー達が次々とバチバチの空気感の中で登場。EXILE TRIBEの楽曲達が流れる中、全員主役級の精鋭達がパフォーマンススキルと表現力を遺憾なく発揮。まさに息つく暇もない、豪華絢爛のダンスショーが繰り広げられた。 そこからイベントはとうとうクライマックスへ。ステージから火花が上がり、イントロが鳴った時点から大歓声で迎えられたのは、久々の披露となった『HiGH&LOW』シリーズのテーマ曲「HIGHER GROUND」。そこから三代目JSB「O.R.I.O.N.」、THE RAMPAGE「16BOOSTERZ」、BALLISTIK BOYZ「PASION」、PSYCHIC FEVER「BAKU BAKU」やFANTASTICS「OVER DRIVE」と、TRIBEを隆盛へと導いた熱いダンスミュージックが続けざまに畳み掛けられ、客席の盛り上がりは最高潮に。GENERATIONSの名曲「Evergreen 2.0ver」では、ダンスパートでかつてのサポートメンバー達も加わって円陣を作るという感動的な一幕もあった。締めには三代目JSBの「Rat-tat-tat」とEXILE THE SECOND「Going Crazy」という、誰もが踊らずにいられないパーティーチューンが連続。オーディエンスの熱狂をひと時も絶やさないまま、ここまで一気に駆け抜けた。 ラスト一曲を控えたMCでは、TAKAHIROが「この大変な時代にこのスタジアムという規模で、これだけ多くの皆さんにお会いできたことに心から感謝を伝えたいと思います。どうやったら皆さんに喜んでいただけるのか、メンバーと切磋琢磨しながらここまでやって来ました。今日、皆さんの笑顔と声援でようやくこのライブが完成した気がします。本当にありがとう!」と、万感の思いを語った。 TAKAHIROが「いったん終わります!」と一同を和ませてから始まったラストの一曲は、未来への希望を込めたアンセム「Rising Sun」。NEO EXILEを含む総勢84人のEXILE TRIBEによる力強く華やかなパフォーマンスで締め括った。 が、宴はまだまだ終わらない。年末イベントの4日間開催やGENERATIONSの新プロジェクト、川村壱馬のソロデビュー、2025年のTHE RAMPAGEライブツアー、EXILEのライブツアーと、5個の特大の告知が続いた後、アンコールを受けて始まったのはEXILE TRIBEの伝統と言える“24karats”シリーズの熱いメドレーだ。今年新たにTHE RAMPAGEが正式継承しリリースした「24karats GOLD GENESIS」から始まりJr.EXILEによる「24karats -type Jr.EX-」、そして各組全員がステージに揃い、三代目JSBとGENERATIONSが躍動する「24karats STAY GOLD」からEXILEのボーカル3人が届ける「24karats TRIBE OF GOLD」まで、お馴染みの火炎放出とともに全身全霊のパフォーマンスを届けた。 この『LIVE EXPO』の開催について、直前の囲み取材にてEXILE NAOTOは「これまでの歴史と様々なヒット曲、そしてライブに特化したアーティストとして、パフォーマンスに賭ける思い。このライブで表現するべきLDHらしさについて考えたとき、それらを軸にするべきと考えた」と語る。またメンバープロデュースで作り上げた内容について、ØMIは「ボーイズグループ戦国時代と言われるこの時代、LDHとしての強みを考えてこれまで作ってきた楽曲を並べてみた時、その強さが再認識できた気がした。それを皆さんの前でライブとして披露することで、この時代のアーティストとしての志をひとつの形として提示できると考えています」と述べた。そして2010年のEXILEのツアー『EXILE LIVE TOUR 2010 FANTASY』から14年ぶりのスタジアムライブとなった本公演について「我々の夢の循環というか、夢に挑戦して叶えてきたメンバー達が今日ここに出演することで、さらに次の世代であるEXPGの生徒達がまた10年後や15年後またここに戻ってこられるような希望、未来をイメージできるライブを作れたことが感慨深いです」と語った。 この日は彼らの言葉通り、彼らEXILE TRIBEの歴史とともに凄まじいライブ力と演出力と熱量という最大の特長を、このスタジアムの舞台で知らしめる形となった。 「皆さんの笑顔、本当に最高でした。ありがとう!」TAKAHIROのMCから、各グループ代表によるMCで所感が述べられた。ØMIは「皆さんの笑顔がステージから見えて、心からこのEXPOを開催してよかったと思えました。ありがとうございました!」、片寄が「皆さんと最高の思い出を作ることができました、本当にありがとうございました!」、川村は「こんな大きなステージに立たせていただけたことで、このLDHの先輩方も後輩も、ファンの皆さんのことも、改めて大好きになったライブでした。ありがとうございました」とそれぞれ感謝を告げると、SHOKICHIから川村へ「ソロデビューおめでとう!」と一声。中島は「LDHって最高だなと思いました。音楽を通じた人と人との繋がりを感じました。これからもLDH魂をもって、FANTASTICSの色で頑張っていきたいと思います。今後も応援よろしくお願いします!」と今後の意気込みが、砂田からは「LDHらしい“仲間”感が感じられる時間でした。ここに居られることが本当に幸せです。本日は本当にありがとうございました!」と感謝が述べられ、小波津は「スタジアムでパフォーマンスすることが一つの夢でした。皆さんと見たこの景色を、またこれから実現できるように頑張っていきたいと思います」と展望を語った。そしてNEO EXILEからは4グループを代表して岩城が「デビューして間もない僕達がこのスタジアムに立てたことに感謝しています。皆さん、愛と夢と幸せを本当にありがとうございました!」とまとめた。 SHOKICHIの「仲間ですね……仲間、最高ですね!」という感慨の後、最後は改めてTAKAHIROが「この公演を作ることができて、このLDH LIVE EXPOLDH LIVE-EXPOの新たな可能性を感じました。また必ずお見せしたいと思います、その時は遊びに来てくれますか?」と問いかけると、すぐさま会場全体から大歓声が鳴り響いた。「明るい未来を夢見て、強く生きていきましょう。今日は本当にありがとうございました」そんなTAKAHIROの一言の後、壮大な一日の締め括りは2006年にEXILES名義で歌われた懐かしの一曲「Love, Dream & Happiness」。LDHのテーマを歌う温かく優しいポップナンバーが夜空に響き渡り、スタジアム一帯が柔らかな光と笑顔に包まれたフィナーレだった。 四半世紀にも及ぶEXILE TRIBEの歴史を振り返りながら、今この時にしか見られないお宝コラボとともに怒濤のヒットチューンを届けた約3時間半。過去のTRIBEメンバー達のように親子二世代で今この会場に足を運び、大きな夢を抱くことになった少年少女も居るかもしれない。ここからまた彼らの新たな一ページが開かれる。その希望と喜びに満ち溢れた一夜となった。
日高 愛