生産ラインの見学で説明を受ける参加者（田辺三菱製薬工場小野田工場で）

　小野田商工会議所（藤田敏彦会頭）主催の「おのだ産業キッズバスツアー2024」は9日、山陽小野田市内で行われ、田辺三菱製薬工場小野田工場、山口東京理科大薬学部など3カ所を視察した。小学生と保護者15組30人が薬に関する理解を深めた。 　 　市内の小学4～6年生を対象に、さまざまな産業について学び、地元で働くきっかけにしてもらおうと昨年度に続いて開いた。今回は「医療編」として実施した。 　 　同工場では生産ラインを見学し、薬の作り方を体験した。始めに杉本昌陽工場長が「ここは市内唯一の製薬工場。錠剤には溶けやすさ、溶けるスピードといったいろんな技術がいっぱい詰まっている」と伝えた。 　 　会社の沿革や施設概要の紹介では「病気を治す魔法の粉を飲みやすい形にしてパッケージに詰め出荷している」と説明した。 　 　子どもたちは生産ラインをガラス越しに見て回った後、粉薬と錠剤作り、パッケージを体験。「粉末の状態の薬を顆粒（かりゅう）や錠剤にするのは薬を飲みやすくするためで量も分かりやすいから」と説明を受けた。実際に製造機械のボタンを押して錠剤を出したり、シートに錠剤を一個一個並べて熱で薬のシートを貼り付けたりした。 　 　国満陽和（ひより）君（赤崎4年）は「粉の薬を上下から圧縮して錠剤にするのが面白かった」、長谷川雫（しずく）さん（同5年）は「自分の名前が印刷された薬シートを最後にプレゼントしてもらった」と大喜びだった。 　 　山陽小野田薬剤師会も視察。企画運営した理系キッズ育成委員会の福永正和委員長は「地場産業という貴重な財産を学びの場とし、それが就職のきっかけになればというのが企画の狙い。メニューを変えて今後も続けたい」と話した。