モノづくり志す全ての人へ――新作映画『数分間のエールを』斬新なタッチで描く夢追う苦しさと情熱
情熱に感化されエールをもらえる『数分間のエールを』
本作は、モノづくりの葛藤を主に描いている。だからこそ、彼方が作ったMVというたった数分間の“エール”がきいてくるのだ。彼方は織重が作った楽曲の解釈が違っていたことで挫折を経験するが、それでもあきらめずMV作りに再挑戦する。劇中では、「世界に自分の作品を届ける。それはなんの忖度もない世界だ。自分の努力も情熱も想いもまったく通じることはない。それがモノを作るということ。それでも僕は作りたい。これがモノづくりの始まり」と語られる。厳しい世界にも負けない“衝動”ともいえる創作意欲こそが、モノづくりの原点なのかもしれない。 『数分間のエールを』は、もがき悩む登場人物たちにエールを送りたくなるとともに、私たちもエールをもらえる。モノづくりをする人にとって、きっとなにか心に触れて動かされるような作品になるだろう。(文:まわる まがり)
『数分間のエールを』作品情報
この時代に モノづくりを志す全ての人へ MV(ミュージックビデオ)の制作に没頭する男子高校生・朝屋彼方は、ある日目にしたストリートライブに感動し、その曲のMVを作りたいと強く思う。しかし、歌っていたのは音楽の道を諦めた女性教師・織重夕だった……。 二人の出会いを軸にモノづくりの楽しさや苦しみを瑞々しく描いた本作は、脚本を『ラブライブ!』『宇宙よりも遠い場所』の花田十輝が担当、監督・演出からキャラクターデザインなど映像のほぼすべてを“ぽぷりか”“おはじき”“まごつき”で構成される映像制作チーム「Hurray!(フレイ)」の3名で作り上げた。 ヨルシカのMVやTVアニメ『可愛いだけじゃない式守さん』のED映像を手掛けるなど、今最も注目を集めるチームが満を持して送り出す初の劇場アニメーションは、フリー3DCGソフト「Blender」をメインツールとして制作が行われており、その独特で繊細な画作りにも注目が集まる。 劇中で織重夕が歌う楽曲の制作を担当しているのはボカロPとしても活躍するVIVI、歌唱はSpotifyが活躍を期待する次世代アーティスト「RADAR:Early Noise 2022」にも選ばれたシンガーソングライターの菅原圭が担当しており、中性的でエモーショナルな歌声で織重夕が楽曲に込めた想いを歌い上げる。 観た人達に前を向いて笑ってもらいたい。 どうかあなたに、 ”数分間のエールを” 【公開】2024年初夏全国公開 【スタッフ】 監督:ぽぷりか/副監督:おはじき/アートディレクター:まごつき 脚本:花田十輝/歌唱楽曲制作:VIVI 制作:Hurray!×100studio/配給:バンダイナムコフィルムワークス 【キャスト】 朝屋彼方:花江夏樹 織重 夕:伊瀬茉莉也/歌唱アーティスト:菅原圭 ©「数分間のエールを」製作委員会
オタク総研編集部