安倍派だけが追及されるのは事務方が「完落ち」したため 「安倍派裏金疑惑」に須田慎一郎が言及
作家で自由民主党・参議院議員の青山繁晴とジャーナリストの須田慎一郎が12月12日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。安倍派の裏金疑惑について解説した。 【写真】今年開催された、安倍派「政治資金パーティ」の様子
内閣改造で「安倍派一掃人事」が総理自身に降りかかる場合も
飯田)各紙が安倍派の裏金、パーティー券のキックバックについて報じています。あっという間に大きくなったイメージがありますが、どうご覧になりますか? 青山)目下、2つポイントがあります。まずは総理が内閣総辞職ではなく、内閣改造と人事、しかも安倍派をすべて追放するような形を取るのではないかと言われていますが、信じがたい大胆なやり方ですよね。もし岸田さん本人に捜査の手が及ぶことになったらどうするのか。一発でアウトですよね。 飯田)そうなりますね。 青山)総理かどうかは別にして、岸田派にも副作用があるのはほぼ確実な情勢です。いまさら総理もあとに引けません。岸田総理は真面目な人ですので、真面目な人が決心するとこういうことになるという典型だと思います。
見せしめのために自宅への家宅捜査も
青山)もう1つは捜査の行方です。おそらく政治家は在宅起訴だと思います。これで政治家は1人もやれない、事務方だけだったとなれば、かつて金丸信さんがペンキを投げられたような状況になってしまいます。東京地検はそれを気にしているようなので、在宅起訴は必ず行うでしょう。ただ、在宅起訴は基本的に任意捜査になります。まずは強制捜査のうち、家宅捜索をするかどうかですね。普通はするはずです。例えば議員会館の議員事務所や、派閥の事務所、清和会(安倍派)の事務所まではおそらくやると思いますが、見せしめのつもりなら自宅までやります。
慎重に捜査を進める検察
青山)記者用語で「ガサ入れ」と言われるものです。それを行ったあと、政治家の身柄を取るのかどうか。要するに逮捕ですが、そこまで及ぶのか、それとも任意捜査のまま起訴まで持っていくのか。起訴できたとして、裁判になれば捜査段階から裁判まできちんと見なくてはいけません。捜査段階で新聞などは完全に決めつけて書きますが、それは民主主義の手法ではありません。裁判になったときに、政治家が「記載するな」と指示を出したのかどうか……。「出した」と言うなら証拠は何なのか。下手をすると無罪ですよね。 飯田)無罪の可能性もある。 青山)そうなると検察庁は大打撃ですので、検察はいま慎重に見ていると思います。新聞やテレビが大騒ぎしているのは、検察がどんどんリークするからです。今回、そこは派手に動いています。 飯田)そうですね。 青山)しかも新聞を選んでいる。広島の「河井夫妻選挙違反事件」の際は、検察の味方だった新聞には優しくリークし、そうではない新聞にはリークしないようにまでしています。このようなやり方は、私は久しぶりに見ました。かつて事件記者でしたから、多少は知っていますが。岸田総理の思い切った人事が果たして成功するのかどうか。下手をすると自分に降りかかってきます。 飯田)総理自身に。 青山)もう1つが、捜査から裁判の行方まで。これは簡単に終わる話ではありません。