サラリーマン辞めて忍者に転身 城跡で「修行」する65歳、棒手裏剣大会で準優勝
東御市の繁田さん、「月影」の名で活動
「月影(つきかげ)」の忍者名で活動する東御市の繁田剛さん(65)が、11日に千葉県で開かれた「棒手裏剣競技大会」(実行委員会主催)で準優勝した。棒形の手裏剣を的に投げ当てて得点を競う大会で、国内外から選手49人が集まった。1点差で4位だった昨年の第1回大会の悔しさをばねに順位を上げたが、「思ったように(手裏剣を)打てず、悔しかった」と話し、さらなる高みを見据えている。 【写真】棒手裏剣の投げ方
8点差で優勝逃す 決勝戦は「雰囲気にのまれた」
大会は各地の道場やオンラインでの予選会を通過した選手が出場。中心に近いほど高得点となる的に向け、約3・6メートル、約4・5メートル、約5・4メートルの距離から3本ずつ計9本を投げ、合計点を競う。満点は90点。棒手裏剣は直径1・5センチ、長さ25センチ、重さ100グラム以下の規定で各自が用意し、和装や道着、甲冑(かっちゅう)などを着用する。 繁田さんは予選をトップ通過したものの、決勝は「雰囲気にのまれ、力が出せなかった」と肩を落とす。的の固定法が普段と違ったことも影響し、得点は練習の時の半分以下。8点差で優勝を逃した。
元々は格闘技や古武術に関心
兵庫県に生まれ、就職後は大阪府で長く過ごした。格闘技や古武術に関心があり、12年ほど前に古武術系雑誌で組まれた手裏剣の特集を目にして棒手裏剣の体験会に参加。一般的な十字型の手裏剣と比べて難しかったが、「うまく刺さった時は気持ちが良かった」と週1回ほど自宅で取り組むようになった。 自然が好きでたびたび県内を訪れていたこともあり、電機メーカーを早期退職後、2015年に東御市に移住した。18年に上田市の上田城跡公園内に手裏剣や吹き矢を体験できる「真田忍者修練場」が整備されたことを知り、翌年からボランティアスタッフとして従事。その合間を縫って自らも練習した。大会の存在を知ると、練習量を増やすなどのめり込んだ。 「運動神経や体力がなくても稽古を重ねれば必ず上達する」と繁田さん。来年の大会は詳細がまだ固まっていないというが、「本番で普段の力が出せれば、優勝できる」と力を込めた。