「闇バイト」に巻き込まれる若者たち 小さな失敗を早めに経験することの大切さ 仕事も「先回りして指導」はNG、部下は育たない
【マネー秘宝館】 全国各地で強盗犯罪が続いています。いつの間にやら物騒な国になったものです。しかも見知らぬ者同士が集まっているというじゃありませんか。 【写真】現金が奪われ、住人男性が負傷…「闇バイト事件」に備えよ どう身を守り生き抜くか その昔、強盗といえば、単独犯か関係の近い仲間で行うものでした。ちなみに映画ゴッドファーザーなどに描かれるイタリア・マフィアは自らの組織を「ファミリー」と称していました。実際の家族はもちろん、他人であっても「家族」の一員、そこには血の結束があり、裏切りは許されないわけです。 そのような犯罪マフィアがいまやリモート化、プロジェクト化されてしまい、構成員の募集はネットを通じた「闇バイト募集」として行われています。そこにまんまと引っかかってしまう高校生や大学生たち。犯罪に手を染めてしまう彼らが悪いのはもちろんですが、彼らを引きずり込む手口の狡猾さには怒りを覚えます。そして自分の年齢的に、犯罪に巻き込まれた者たちの「親御さん」に同情を禁じ得ません。ある日突然、「自分の息子が犯罪者」という連絡を受ける気持ちは察するにあまりあります。本当にお気の毒。 私の推測を含みますが、事件に巻きこまれている若い人たちは「根っからの悪人」ではないように思うのです。金に困ってバイトを探しているうち、ついワナにはまって犯罪に落ちてしまう。「これはまずい」と気が付いたときにはもう手遅れ。あとには引き返せないところまで行ってしまう。繰り返しになりますが、だからこそ首謀者には腹が立つわけです。 犯罪は論外ですが、人間関係のトラブル、仕事上のミス、すべての「失敗」を避けて通ることはできません。だとすれば逆説的ですが、「早めに失敗しておく」ことが大切なのかもしれません。 10年ほど前から、「小学生、中学生にスマホを待たせるべきか」という議論が熱く交わされています。いまや中学生はほとんど持っていますが、小学生については「何年生から持たせるべきか」は相変わらず議論が続いています。この議論の根本には「スマホを持つと便利な半面、犯罪に巻き込まれる可能性が高くなる」という親の心配があります。 早めに持たせればコミュニケーションや情報入手に便利だが、悪い人たちとのかかわりや犯罪が心配。スマホを持たせなければ犯罪の心配はないが、友だちから取り残されるかもしれない…と、こんなメリット、デメリットが比較検討されるわけです。