ゆりやん「尊敬の念を胸に選考」大賞受賞で映画監督デビューを確約する「第3回日本ホラー映画大賞」が開催決定!
令和の新しいホラー映像作家の発掘・支援を目指し、株式会社KADOKAWA主催のもと2021年に創設された日本唯一の“ホラー”ジャンル専門のフィルムコンペティション「日本ホラー映画大賞」。大賞受賞者には応募作のリメイクか完全オリジナル作品での商業監督デビューが確約される本賞の第3回が開催決定。8月1日(木)から9月30日(月)まで作品募集が行われることが発表された。 【写真を見る】第1回の大賞受賞監督は国内外で大絶賛を獲得!新時代を恐怖で満たす新たな才能を求む 第1回で大賞に輝いた下津優太監督は、古川琴音を主演に迎えて受賞作を長編化した『みなに幸あれ』(24)で商業デビュー。今年1月に劇場公開されるや初日から満席が続出するなど大反響を集め、海外の映画祭でも大きなインパクトを残し複数の賞を受賞。また、2023年に行われた第2回で大賞を受賞した近藤亮太監督は、受賞作の長編リメイク版である『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』を先ごろ完成。現在公開へ向けて着々と準備が進んでいる。 そしてこのたび開催が決定した「第3回日本ホラー映画大賞」では、これまでに引き続きKADOKAWAと運営委員会パートナーである各社が参画。大賞受賞者には2025年以降の劇場公開を目指した商業監督デビューが確約されるほか、アニメ部門賞や選考委員特別賞、運営委員会各賞の計10の賞が用意されている。なお、大賞を含む各賞に選考された作品は、今後劇場公開や配信展開なども予定。 選考委員を務めるのは、第1回・第2回に引き続き選考委員長を務める清水崇監督を筆頭に、女優の堀未央奈、映像クリエイターで監督・声優としても活動するFROGMAN、Base Ball Bearの小出祐介、映画ジャーナリストの宇野維正、そして先日映画監督デビューが発表されたコメディアンのゆりやんレトリィバァと、各界のホラーマスターたち6名。 ゆりやんレトリィバァは、先⽇⾏われた第77回カンヌ国際映画祭にて記者会⾒を開催し、映画監督デビューを果たすことを発表したばかり。今回の「⽇本ホラー映画⼤賞」で⼤賞を受賞する応募者とは新⼈監督同⼠、まさに“同期”のライバルともなるが、選考委員としての参加には「尊敬の念を胸に挑ませていただきます」と謙虚な様⼦。「トイレに⾏くのが怖くなってぼうこう炎になりませんように︕」とユーモアを込めながら、新たな才能との出会いに期待のコメントを寄せている。 まだ誰も見たことのない未知の“恐怖”を創出し、日本にとどまらず世界市場で活躍するような才能を発見するべく開催される「第3回日本ホラー映画大賞」。我こそはという志を持った方は、開催概要を確認のうえ応募してみてほしい。 <コメント> ●選考委員長/清水崇(映画監督) 「ここ数年、若いクリエーターや映画作りに夢をかけている方、監督を目指す方、ホラーを愛する方々から『次はいつですか?』『3回目はありますか?』などと訊かれるようになり、 うれしく感じていた。それもこれも小林プロデューサーや井上チェアマンはじめとするKADOKAWA各位、協賛いただいている各社の皆さま、そしてなにより…手掛けた作品を応募してくださる多くの方々の尽力に支えられている事を有難く、また選考委員を担わせていただいている一人として誇らしく思います。本当にありがとうございます。 今年の1月には、第1回の大賞を受賞した下津優太監督による商業デビュー作『みなに幸あれ』も公開され、世界各国での受賞をはじめ、国内でも盛況ぶりを見せてくれた。この成果も大きな後押しになってくれている。ちなみに第2回の大賞を受賞した近藤亮太監督による商業デビュー作『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』も既に完成し公開待機中です。そして…さぁ、いよいよ第3回となる日本ホラー映画大賞が動きだします! 『ホラー映画は“蔑視”や“偏見”あってこそ…市民権を得過ぎて、皆に両手を広げて迎えられるホラーなど、きっとおもしろく(怖く)ないだろう』と、前回の大賞へ向けたコメントで書かせていただいた。その想いはやはり変わらないが、昨今、別の形での“蔑視”や“偏見”を目にする事が多くなってきた。コンプライアンスや時代錯誤などが日々声高に叫ばれる世のなかになり、反社会的あるいは不道徳的なものは[排除]されるのが当然…とされる風潮が強いが、では果たして思想や創作物、アートはどうだろう?それらを生み出す“個”の生まれ持った性分や性癖、境遇や環境が生み出した嗜好や美的感覚に対して…それが反社会的だったり、不道徳的だった場合、他者や周囲へなんの迷惑もトラブルも起こしていない場合、どう罪を問い、誰が[排除]と言えるだろうか?問題無くとも少数派はやはり[排除]なのだろうか? 法治国家にも拘わらず、ネット環境やSNSの普及で“○○警察”なる連中が蔓延り、まるで世論の代表のような顔をして、全く介さぬ他者の事項や関連物や作品にまでケチをつけ悪態をつき、発表の場すら奪い去るような恐ろしい出来事がまかり通っている。それらを受け入れ、真に受け、確固たる指針や思考、調査や確認も無いまま[排除]や[除外]に赴いてしまう側にも恐怖を感じる。[排除]された作品に関わる誰かの命に係わるような事があったら、彼らはどう感じるのだろう? 健全な社会を…全ての人や立場に権利と自由を…と掲げながら、人や社会の孕んだ闇は消えるどころか、居場所を変え、手を変え品を変え、より一層闇(病み)深く増殖している気がしてならない。『やっぱり幽霊よりヒトが一番怖いよね』の勘違いした言い草は大嫌いだが…つまり、僕らの抱える闇が消え去る事はおそらく無いから、幽霊(魂)も人間も増殖の一途を辿り、ホラーもより強靭(凶刃?)になっていくはずだ。 これも第2回のキックオフ時に書かせてもらった事だが『ホラーにはホラーならではの視点やメッセージやテーマの掲げ方があり、社会や人間の隠微な闇の淵を反映し、探索心や認識・理解・共有への創意工夫も表現せしめる事が出来る』と、やはり改めて思える。ヒトでも幽霊でもモンスターでも現象でも何でもいい……脳裏から離れず、墓場までお持帰りさせてもらえるような〈恐怖〉のお土産を心待ちにしている」 ●堀未央奈(女優) 「3回連続で選考委員に選んでいただいて光栄です。それぞれが思う"恐怖"を惜しむことなく詰め込んでいただきたいです。感動、スプラッター、心霊、人間関係、オカルト…いろんなジャンルのホラーを見られたらうれしいなぁと思っています。新たな挑戦の第一歩、お待ちしています」 ●FROGMAN(映像クリエイター・監督・声優) 「“コメディ”はそれぞれの国で笑いのツボが違い、普遍的になりづらい。しかし“ホラー”は文化や宗教、言葉の違いを超えられる。だって死者が目の前に現れて、恐れない国ってないんじゃないか?闇から白い手がにゅっと飛び出せば、誰もが悲鳴を上げる。つまり“ホラー”を作る力は、そのまま世界で戦える力なんだ。この世界に最も近い映画コンペに、今年はどんな作品が現れるのか!?」 ●小出祐介(Base Ball Bear/ミュージシャン) 「第1回大賞受賞作、下津優太監督『みなに幸あれ』が公開となったことで、邦画シーンがざわついていく手応えを感じました。ホラー映画特化のフィルムコンペティションだからこそ投じることができた、質量のある一石であったと思います。今回もまた新たな才能に、そして、まだ見ぬ恐怖に出会えるであろうことを心から楽しみにしております」 ●宇野維正(映画ジャーナリスト) 「2021年に『日本ホラー映画大賞』がスタートしてからも、国内外のホラー映画はますます進化しています。進化が止まってしまったジャンルや、リバイバルとして一時的に復活するのを待つだけのジャンルと違って、現在進行形で勢いのあるジャンルに飛び込むということは、映画史のダイナミックな運動に自作が関与できる可能性があるということです。そのくらい無謀な野心を持った作品、不謹慎や不道徳であることも厭わずに『恐怖』を描くことへの欲望を解き放った作品の応募をお待ちしてます」 ●ゆりやんレトリィバァ(コメディアン) 「大好きなホラー映画大賞に、再び選考委員としてお世話になれて光栄です。ありがとうございます!前回、たくさんの応募作品を観させていただき、この世の恐怖のバリエーションを全て目の当たりにしたような気持ちになりました!今回また新たな恐怖に出会えることが、恐怖です!そしてとても楽しみです!トイレに行くのが怖くなってぼうこう炎になりませんように!尊敬の念を胸に挑ませていただきます!よろしくお願いいたします!」 ●株式会社KADOKAWA エグゼクティブ・フェロー 井上伸一郎 「いよいよ第3回日本ホラー映画大賞の作品募集が始まります。グランプリを獲得すれば、商業映画監督としてのデビューが約束されているのが、この賞の特徴です。第1回グランプリを受賞した下津優太監督の『みなに幸あれ』は、2024年1月19日に公開され、単館系ながらスマッシュヒットを記録しました。第2回グランプリの近藤亮太監督作品『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』も完成し、公開日の発表を待つばかりです。 いま世界中でホラー映画に新しい波が押し寄せています。恐怖は、万国共通の感情です。日本ホラー映画大賞から飛び出した才能が、日本のみならず、世界を席巻する日が来ることを確信しています。さあ、あなたも挑戦してください。怖くて新しい、そんな作品をお待ちしています」 ●株式会社KADOKAWA 執行役 Chief Anime Officer(CAO) 菊池剛 「第3回ホラー映画大賞に向けて。誤解を恐れずに言えば、私にとっての最初のホラー映画は小学生の頃に観た『犬神家の一族』だった気がします。誰がなんと言おうと、私の胸にはいつも『佐清』…存在だけでもはや狂気!あの忘れがたき白い顔面キャラが居座っているのです。佐清が放つおぞましき声色、マスクを剥がすときの不快な音…それをかぶり直したときにムニャムニャと蠢く唇らしきもの…ホラーに必要なモノが一瞬の所作にすべて入っている、この映画天才かよ!西のマスク番長『マイケル・マイヤーズ』と戦わせたいぜ!と当時幼かった私はなかば失神しながらも、その時以来見事に阿鼻叫喚・必殺必中のホラー沼にはまってしまうのでした。 鮮烈なキャラクター、耳をふさぎたくなるような不快音、そして凶器(或いは狂気)。 第3回日本ホラー映画大賞がいよいよ開幕します。限られた予算と時間の中で、皆さんがどうやってホラーの『新しい扉』をこじ開けてくれるのか?皆さんがつむぎ出す『新しい恐怖』との出会いを、とても楽しみにしています。そしてそんな最恐作品をメジャーデビューさせて、人類を恐怖のどん底に叩き落としましょう。それがわれわれに課せられた使命なのですから」 文/久保田 和馬