無所属だけど「比例は公明を」…衆院選鹿児島2区で保守同士が票を取り合い 自民公認候補に推薦出ず
自民党会派で活動してきた無所属・三反園訓氏(66)と、自民・保岡宏武氏(51)の事実上の前職対決になっている衆院鹿児島2区で「公明票」の取り合いが繰り広げられている。県内4選挙区で唯一、自民公認候補に公明党の推薦が現時点で出ておらず自主投票になっているためだ。 【写真】2区の場所は…衆院選鹿児島小選挙区の区割りを地図で確認
「比例区は公明党」-。 掲示板に貼られた三反園氏の選挙ポスターには、白抜きで明示されている。比例での投票呼びかけがあった集会には公明関係者も出席。マイクこそ握らなかったが、司会者に紹介された。陣営幹部は「政権与党を応援するのは当然のことだ」と説明する。 保岡氏は公明に推薦願を出したものの、色よい返事は得られていない。ポスターに記載はないが、演説では本人や石破茂首相ら応援弁士が比例で公明に投票するよう呼びかける。選対幹部を務める鹿児島市議が公明市議を通じて支援依頼するなど「協議は続けている」と陣営も明かす。 共同通信社が実施した2区の終盤情勢調査でも創価学会員が大半を占める公明支持層の分裂ぶりが浮き彫りになった。三反園氏が3割、保岡氏は2割弱。投票先を決めていない人は3割強に上った。前回衆院選の2区で公明が獲得した比例票は約3万3000票だった。 公明県本部の窪田哲也代表=参院議員=は「推薦は党本部が決定する」とした上で「2区は保守層の中で支持が割れているのが現状。地域事情もあり、推薦が出ることで支持者や支援団体の皆さんを困惑させてしまうことになりかねない」と語る。これまでも保守系が割れている地域で推薦が出ない例はあるという。
自民県連が保岡氏を公認候補として党本部に推す方針を固めたのは衆院解散前日の今月8日。保岡陣営と選挙協力を巡り十分に協議する時間がなかったのも要因の一つとみられる。推薦を出していない候補の集会に公明幹部らは出席せず、基本的に組織としての動きはない。一方、「投開票までに保岡氏に推薦が出る可能性はゼロではない」との見方もある。 2区にはほかに、参政党新人の矢竹ゆかり氏(61)、共産党新人の松崎真琴氏(66)、日本維新の会新人の辻健太郎氏(38)が立候補している。
南日本新聞 | 鹿児島