【大学野球】防御率1.19でトップに躍り出た慶大・渡辺和大 2年生左腕が今秋飛躍した3つの理由
マウンドを守る自覚
最後に、マウンドを守る自覚である。 「この秋はエースの外丸(東眞、3年・前橋育英高)がコンディション不良でシーズン途中から投げられず、本人としても『やらなくては!!』という気持ちが前面に出ています。春の開幕時点で『外丸を抜かすぐらいの意気込みでやれ!!』とは言っていたんですが、春までは背中を追っていく形でした。ところが、この秋は頼れるエースがいない。目の色が変わり、意識レベルも変わりました」 ストレートは俗に言う回転数があり、140キロ中盤でも打者の手元で伸びる球質だ。最大の武器であるスライダーを軸に、ツーシーム、チェンジアップ、カーブと精度が高い。慶應義塾体育会野球部の公式ホームページの「将来の夢」の欄には「浅野翔吾とプロ野球の舞台で対戦すること」とある。慶大は今秋5位だが、最大の収穫は渡辺の一本立ちである。 「気を抜かずに、ここで連勝して終わりたい」 渡辺には2年生ながら、慶大をけん引するだけの風格が出てきた。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール