オープンAI、日本市場開拓でAWSジャパン元社長の長崎氏を起用
(ブルームバーグ): 対話型人工知能(AI)サービス「ChatGPT(チャットGPT)」を手掛ける米オープンAIは15日、アマゾンウェブサービス(AWS)ジャパン元社長の長崎忠雄氏が日本法人社長に就くと発表した。同氏の下で企業などへの提案を進め、日本市場を開拓する。
同社のブラッド・ライトキャップ最高執行責任者(COO)は同日都内で開いた会見で、「企業がAIの革新スピードに遅れないよう支援していく」と述べた。また日本語向けGPT-4カスタムモデルの提供を始めたことを明らかにした。今後数カ月の間に、APIで広くリリースする予定としている。
同社は3番目の海外拠点として日本を選び、このほど東京にオフィスを構えた。長崎氏はチャットGPTの活用は「生産性向上につながる」とし、日本の顧客と会話を重ねることで、いろいろな事例を作っていきたいと意気込む。年内にも十数名規模に体制を拡大していきたい考えだ。
日本では既に約200万人のチャットGPTの週間アクティユーザーがおり、企業ではダイキン工業や楽天グループ、トヨタコネクティッドなどで導入されているという。ライトキャップ氏は楽天は素晴らしいパートナーで、「日本企業とどう働いていくのがいいか学ぶ機会につながっている」と話す。
オープンAIは2022年11月にチャットGPTを発表し、生成AIブームの火付け役となった。AIをめぐっては急速に普及する一方で、偽情報の拡散や著作権の問題も浮上している。日本政府はこうした現状を受け、リスクへの対応や利用促進への取り組みも進めている。
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Yuki Furukawa, Min Jeong Lee