臼杵市火災で被災の商店街、一部が仮店舗で営業再開 発生から20日「サポートに背中を押された」「にぎわいを取り戻したい」
大分県臼杵市八町大路(はっちょうおおじ)火災で被災した市中央通り商店街(同市臼杵)の一部店舗が14日、仮店舗で営業を再開した。火災発生から20日。被害は甚大で生活再建には時間がかかるとみられるが、復興に向け、被災した人たちは着実に歩みを進めている。 「家族や行政、地域のサポートに背中を押され、迅速に再開までこぎ着けられた」。経営する呉服店の店舗兼住宅が全焼した藤原紳一郎さん(60)は同商店街の空き物件を借り、営業を再開させた。 火災直後は「むなしさだけだった」と言うが、翌週から物件探し、顧客への連絡などに動いた。今後は着付け教室の再開など対応できる範囲を徐々に広げる。「しょぼくれてばかりもいられない。預かっていた着物の弁償も含め、しっかり対応していく」と力を込める。
高村茂樹さん(50)が営むふとん店は焼失を免れたものの、消火活動で商品がぬれるなど全体の約30%が販売できなくなった。焦げた臭いが残っているため、一時的に店舗を移した。「長い道のりになるだろうが、商店街のにぎわいを取り戻したい。今は個店でできることをしていく」 60年以上営業する眼鏡店が全焼した山中健一さん(58)は、店舗から100メートルほど離れた物件を借り、片付け作業を始めた。機材や商品を少しずつそろえ、来年2月をめどに営業を再開したい考え。「行政などのバックアップを受けながら、町全体の復興も考えていきたい」と話した。 火災は11月24日午後に発生。消火活動は11時間以上に及び、住宅や店舗など計15棟が焼けた。現場には今も多くのがれきが残っている。