栃木SC、初のJ3降格圏折り返し 攻守ともに低迷、浮上の兆しはどこに 前半戦総括
サッカーJ2は10日までに第19節が終了し、前半戦を終えた。栃木SCは通算3勝5分け11敗、勝ち点14の19位。2009年のJ参入以降で初となるJ3降格圏で折り返した。序盤の第6節終了時は一時8位まで順位を上げたが、その後は6連敗を含む13試合で未勝利。クラブは監督交代によるてこ入れを図ったものの、浮上の兆しはいまだ見えてこない。 前半戦の37失点はリーグワースト、14得点は同2位。持ち味の守備でほころびが目立ち、攻撃でも引き出しが少なく精彩を欠いた。 今季は元日本代表DFの田中誠(たなかまこと)氏を新監督に迎えたが、開幕から岡山、山形に連敗する苦しい船出。それでも対人強度の高い新加入のDFラファエルを先発に据えた第3節から最終ラインが安定し、甲府、横浜FCに連勝。粘り強い守備から流れをつくった。 第6節の大分戦で3勝目を挙げたが、これが前半戦最後の白星。マンツーマンで対応するセットプレー時の守備が緩く、カウンター発動時にボールロストを繰り返した。第8節のアウェー千葉戦はクラブワーストの大量8失点と衝撃的な敗戦。11敗中8敗が先制された試合で、劣勢をはね返す力強さにも欠けた。 小林伸二(こばやししんじ)新監督が就任した第16節仙台戦以降も2分け2敗。悪循環を断ち切れていない。DF平松航(ひらまつわたる)が「練習からこだわらないといけない」と強調するように、立て直しの最優先ポイントはゴール前の守備。小林監督も「ボール保持者に体を寄せる。カバーした選手が壁を作り、サイドに追いやる。そういう技術が必要だ」と指摘する。 第18節終了時でシュート数149本もリーグ17位で枠内率30・2%は同最下位。今季新加入のFW南野遥海(みなみのはるみ)がチーム最多5得点と存在感を示すものの、安易なパスミスやサイドからのクロスも精度が低く決定機は多くない。 今季は7月の第24節終了後に約3週間の中断期間があり、この期間に攻守で戦術を練り直し、チームに浸透させることが必要不可欠。同8日からは夏の移籍期間も開くため、攻守のつなぎ役をこなす中盤や突破力のある前線の選手を補強できるかが浮上の鍵を握ると言えそうだ。