古江彩佳が快挙達成 『69.988』で平均ストローク1位「日本勢初は自分へのご褒美」
<CMEグループ・ツアー選手権 最終日◇24日◇ティブロンGC(米フロリダ州)◇6700ヤード・パー72> 西郷真央とトロフィーを片手にニッコリ【写真】 古江彩佳が日本勢初の快挙を成し遂げた。CMEランキングトップ60の選手のみが出場する最終戦で、最終日に5バーディ・1ボギーの「68」で回りトータル13アンダー・8位タイでフィニッシュ。これで年間平均ストロークは「69.988」となり『ベアトロフィー』を獲得した。 大会開幕前はユ・ヘラン(韓国)に次いで2番手だった。ただ、ヘランが連日の「71」で平均スコアを落としていったのに対し、古江は「69」を重ねて浮上。わずかに「0.0002」のストローク差で最終日に入った。そしてヘランが「69」で回ったのに対し、古江は「68」。逆転での戴冠を果たした。 ピンチをしのぎながら、前半は3つのバーディ。「ピンポジションは難しいところも多かったけれど、風が吹いていないので、みんなスコアを伸ばしやすい状況になるかなとは思っていました」。好スコアが予想されるなか、自身もしっかり伸ばしていった。 さらにひとつ伸ばして迎えた15番では3パットのボギーを喫した。「ボギーを叩いてからはいい流れがなかったので、緊張というか、切り替えて頑張らなきゃいけないと思わされた」。力強く前を向くと、17番パー5ではアプローチを1メートルに寄せてバーディを奪取。最終18番を2パットのパーで締めくくり、歴史的快挙の瞬間が誕生した。 1988年には岡本綾子が平均ストローク1位に輝いたが、規定ラウンド数に満たなかったため、ベアトロフィーは獲得できなかった。「まさか自分が取れる賞だと思っていなかった。日本勢初というのは、自分へのいいご褒美になった。LPGAでは難しいコースが多いなか、平均ストロークが60台ですごくうれしい」。日本ではメルセデス女王に輝いた2020-21年に2位につけたが「70.3664」だった。 21年の最終予選会(Qシリーズ)を突破したころには、「(この賞を)知らないくらいの感じだった。そういうのがあるんだって」と意識はなかった。そしてルーキーイヤーに初優勝を飾り、上位に何度も顔を出し、トップ選手の仲間入りを果たしていった。 このベアトロフィーの価値は「“年間で頑張った賞”のひとつ」という。米3年目の今年は7月の「アムンディ・エビアン選手権」でメジャー初制覇し、トップ10入りは12回。「自分は全然安定していると思っていなくて」というが、この1年間の“頑張り”が実を結んだ。 「短いオフですが、しっかりとリラックスして、来年に向けて準備をしていきたいです」。名だたる名手が獲得してきた名誉ある賞。そこに“Ayaka Furue”の名が刻まれた。(文・笠井あかり)