重岡大毅さんがたどりついた“気づき”「自分でなんとかするのがカッコいいと思っていた。でも人にもたれかかってもいい」
リアリティのある自然体の演技で好青年から“クズ男”までを巧みに演じ分け、俳優としての評価をますます高めているWEST. の重岡大毅さん。2024年1月12日には、単独初主演映画『ある閉ざされた雪の山荘で』が公開になります。 【画像】重岡大毅さん単独初主演で話題の映画『ある閉ざされた雪の山荘で』の写真を見る! 日本を代表するミステリー作家・東野圭吾原作作品、単独初主演、さらに同世代の実力派俳優たちとの“競演”と、話題性たっぷりの最新作。with digitalでは、作品についてはもちろん重岡さんの役づくりの秘密から、作品に向かう心構えまでをたっぷりと伺いました。with digital オリジナルインタビューをお届けします。
「選ばれる、選ばれない」は子どもの頃から経験している
ーー映画『ある閉ざされた雪の山荘で』で重岡さんが演じる久我和幸は、劇団「水滸」の新作舞台の主演の座をめぐってオーディションに挑む青年です。映画では役者を志すものたちの嫉妬や羨望、悪意から友情、絆までさまざまな感情が描かれていましたが、重岡さん自身に重なるような経験はあるのでしょうか。 重岡大毅(以下・重岡) そうですね、僕はありがたいことに、「役を勝ち取らなきゃ」というオーディションは受けたことがなくて。ただ、「選ばれる、選ばれない」みたいなことはデビュー前に、それこそ子どもの頃からたくさん経験しているんです。だから、この作品に出てくる劇団員たちの気持ちはわかりますよ。実際10代はもう、そんなんばっかやったから。やっぱりキツいですよね。 プレッシャーも……なかったことなんてあったかな? 今回も、それこそ東野圭吾作品、単独初主演、さらに同世代の俳優が勢揃いで、「比べられるんちゃう?」って。よく考えたらプレッシャーだらけですよね。撮影ではいろいろ課題はありましたけど、それはもう1個ずつ“やっつけて”いきました。「どんな球が来ても、全部打ち返しまっせ!」っていうのはもう、ずっとやってきていることですからね。
デビュー前の過酷な日々はもちろん、WEST.としてデビューした後も、歌にダンスに演技、さらにはバラエティ番組での立ち居振る舞いにも高いパフォーマンスを求められる毎日。フィジカルもメンタルも限界まで力を出し切る状況に、かつての重岡さんはひとりで向き合ってきたといいます。 重岡 昔は「全部自分でなんとかするのがカッコいい」「それが男らしいことだ」みたいに思っていたから、人に相談することもなかったんです。一方で僕はものごとを正面から受け止めるタイプやから、「ダメやった」みたいな場合は、けっこう長い間引きずっていましたね。 あんまり「これを出しておけば大丈夫」みたいな手も持ち合わせていなかったし、思い返せば大変やったと思います。20代になってからはさらに悩みも増えたり、自分たちのステージも変わったりして。大壁にもぶち当たったし。右も左も、前も後もだめ!みたいな壁に。そうなるとなかなか自分だけじゃ受け止めきられへんもんとかもあるようになって。 ほんまは200歳くらいまで生きてみたいけれど、人生1/3くらいを生きたのかと思うと、自分の身の振り方みたいなものは考えるんですよね。そこで出てくる悩みも日々増えてくるし。だから基本、“何か”と戦っています。それで初めて家族だったりメンバーだったりに「話す」ってことをするようになりました。 そうやって「人にもたれかかる」っていう術を経験をしたら、「あら不思議、ラクや!」って(笑)。それからはこれは使える手だと思って、使うようにしています。「奥の手」にはしたいですけどね。