「顔の脂肪吸引」のリスクはご存じですか? 注意点や失敗しないためのポイントも医師が解説!
顔の脂肪吸引のリスク
編集部: 顔の脂肪吸引にリスクはないのですか? 澤口先生: ほかの部位の脂肪吸引同様、むくみやたるみ、凹凸などのリスクが稀にあります。また、感染症やアレルギーなど副作用のリスクも考えられます。 編集部: 様々なリスクがあるのですね。 澤口先生: 特に患者さんが気になるのが、「脂肪吸引をした後、凸凹になるのではないか」という点だと思います。凸凹が起きる原因は、脂肪を吸引して空洞になった組織が治癒する過程で、皮膚の引きつり(拘縮)が生じるためです。また、皮膚が凸凹するだけでなく、つっぱり感や引きつった感覚が生じることもあります。 編集部: 拘縮について、もう少し詳しく教えてください。 澤口先生: 拘縮は術後すぐに起きるのではなく、術後1週間くらいから症状が表れてきます。ピークは施術をしておよそ1カ月後です。術後3カ月~半年で次第に落ち着いてくるので、それほど心配しなくても大丈夫です。ストレッチやもみほぐしをすると回復が早いとも言われています。 編集部: 傷跡は目立たないのですか? 澤口先生: 一般的に、脂肪の吸引は皮膚を切開しておこなうので、通常は施術から数カ月~1年は傷跡が残ると言われています。しかし、顔の脂肪を吸引する場合は、両耳たぶの下と顎下の合計3カ所に小さな傷をつける程度なので、非常に目立ちにくいという特徴があります。 編集部: 目立たないのはありがたいですね。 澤口先生: 耳たぶの下の傷は、ちょうど切れ込みのところにあたるので、術後1週間くらいでわからなくなってきます。顎下の傷は二重顎のところになるので、施術後に皮膚が引き締まっていけば、上を見ないと他人からわからないと思います。
顔の脂肪吸引の流れや注意点
編集部: 顔の脂肪吸引を受けたいと思ったら、どうしたらいいのでしょうか? 澤口先生: まずは、顔の脂肪吸引の実績が豊富な医師を選び、カウンセリングを受けましょう。その際、「具体的にどのあたりが気になっているのか」「どれくらい脂肪を取りたいのか」「どんなフェイスラインを希望しているのか」などを医師とすり合わせ、デザインを確認することが大切です。 編集部: その後はいかがでしょうか? 澤口先生: 施術当日は、静脈麻酔と局所麻酔を使用して手術をおこないます。麻酔が効いたらカニューレという細い管を皮膚の下に挿入し、脂肪を吸引します。手術後は、ダウンタイムの症状を軽減したり、ダウンタイムを短くしたりするため、3日程度、圧迫バンド(フェイスバンド)を着用します。 編集部: 圧迫バンドは必ず装着しないといけないのですか? 澤口先生: なかには「圧迫バンド不要」と謳っている医療機関もありますが、一般的に圧迫や腫れを予防するためフェイスバンドを着用することが推奨されています。どうしても「施術後、外出の予定がある」などの場合には、1日だけ着用するのでも構いませんが、基本的に3日間は着用をお願いしています。 編集部: どれくらいで施術が完了するのでしょうか? 澤口先生: 施術後3日目くらいまでは痛みや腫れが続きますが、その後は症状が落ち着いてきます。その後、徐々に皮膚が引き締まっていき、フェイスラインが完成するのは施術から約3カ月~半年が目安です。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 澤口先生: 最近、脂肪吸引による死亡事故が取り上げられており、施術に対する不安感を抱く人もいると思います。安心・安全に脂肪吸引の施術を受けるには、経験豊富な医師を選ぶことが重要で、特に重要なのはカウンセリングです。医師と話をしている最中に「説明がしどろもどろである」「デメリットの説明がなく、メリットしか言わない」など、少しでも不安を感じるポイントがあれば、一歩踏みとどまった方がいいかもしれません。また、モニター価格を用意している医療機関もありますが、場合によっては経験の少ない医師や新人医師が担当することもあります。施術によるリスクを減らし、確実な治療効果を得るためにも、医師選びは慎重になってほしいと思います。