【虎になれ】「もう辞めるよ。オレはもう」岡田監督ドッキリ発言も大きな勝利だ
<阪神1-0DeNA>◇21日◇甲子園 「そら、かえるやろ。あの場面で。あんなん止めたら、もう辞めるよ。オレはもう。当たり前やんか」。指揮官・岡田彰布はやはり面白いのである。サヨナラ勝利の場面を聞かれてのドッキリ発言がこれだ。 【写真】サヨナラ適時打を放ち歓喜する小幡 少しだけ、そのシーンを振り返る。小幡竜平の右前打で二走に代走で出ていた植田海が本塁に突っ込む。前に出て守っていた右翼・度会隆輝は打球を処理し、バックホーム。きわどいタイミングになりそうだったが捕手・山本祐大のミットに球は収まらず、植田は生還に成功した。 交流戦ラストの18日・日本ハム戦で、岡田は数多く出た走塁ミスを厳しく指摘。当然と言えば当然だが「あそこはよく突っ込んだ」という虎番記者の質問に「あんなん止めたら…」とかましたのだ。 ユーモアは健在だが、残念ながら表情はさえない。相変わらず打線が湿っているからだ。この日も野手ミーティングで「もっと点を取ろう」という話をしたようだが、やはりこの日もお得意の「1-0勝利」。1軍復帰の大山悠輔を4番にすえて望んだリーグ戦再開だったが簡単ではない。 それでも、この勝利は大きいと思う。勝つことが重要なのは当たり前だが、この日は特に意味がある。今回のカードが「上下対決」だからだ。阪神はDeNA戦、首位・広島は最下位・中日、そして巨人はヤクルトと、それぞれ3連戦が組まれている。 言うまでもない、Aクラス対Bクラスの顔合わせ。そしてこの日、広島も巨人も、そして僅差で4位のDeNAも負け、Aクラスで勝ったのは阪神だけ。これは交流戦における「独り勝ち」に近い状況だろう。 ソフトバンクがひた走るパ・リーグと違い、セ・リーグは混戦が続くが、こういう局面でしっかり勝っていけば、いつの間にか差が開いていく。その意味で、やはり大きいサヨナラ勝利だと思うのである。 ありがたいことに先発、ブルペン陣ともまだ投手陣は元気だ。この日も漆原大晟、石井大智が期待以上と言うと失礼かもしれないが、いい働きを見せた。西勇輝ももちろんだ。 やはり打線だ。まずは誰かが復調して、それに引っ張られる形で上向いていけばいいと思う。若い前川右京か、森下翔太か、あるいは佐藤輝明か。近畿地方は梅雨入りしたが、阪神打線はここから活発になっていくことを願いたい。(敬称略)