藤井聡太棋聖、5連覇達成で史上最年少の21歳11カ月で永世棋聖の称号 山崎隆之八段破り3勝0敗で防衛【棋聖戦第3局】
将棋の藤井聡太棋聖(21)=竜王・名人・王位・王座・棋王・王将との七冠=に山崎隆之八段(43)が挑戦した第95期棋聖戦5番勝負第3局は1日、名古屋市中区の万松寺で指され、後手の藤井棋聖が100手で山崎八段を破り3勝0敗で防衛に成功。棋聖戦5連覇で史上最年少の21歳11カ月で永世棋聖の称号を得た。 ◆藤井聡太棋聖と山崎隆之八段、棋聖戦第3局午後のおやつ【写真複数】 これまでの最年少記録は1971年に称号(就位は通常、引退後)の資格を取得した中原誠十六世名人の23歳11カ月で、記録を大幅に塗り替えた。 かど盤の先手・山崎八段がお互いに飛車先の歩を伸ばす得意の相掛かりを目指し、藤井棋聖も応じて始まった本局。藤井棋聖だけが飛車先の歩交換に成功すると、山崎八段も3、4、6、7筋の歩を一段上がって多方面からの攻めをにおわせるじっくりした序盤となった。しかし、47手目から角交換、55手目から飛車交換と大駒を持ち合い激しい戦いに。終盤は歩と大駒を適所に配した藤井棋聖が逃げ切った。 藤井棋聖はこのタイトルを2020年7月16日に渡辺明棋聖から奪取して初戴冠。17歳11カ月で最年少タイトルホルダーとなった。今期防衛で通算5期獲得となり最短で永世棋聖称号を得た。タイトル戦戦績は24棋戦23勝1敗。6月20日の第9期叡王戦第5局で伊藤匠新叡王に敗れ七冠へと一歩後退したが、将棋界に新たな記録を刻んだ。また6、7日には、こちらも連続5期で永世称号が手に入る第65期王位戦(中日新聞社など主催)が、渡辺明九段(40)を挑戦者に迎えて名古屋市東区の徳川園で開幕する。山崎八段は15年ぶりのタイトル挑戦だったが、またも未勝利に終わった。両者の対戦成績は藤井棋聖の4勝1敗となった。(写真は日本将棋連盟提供)
中日スポーツ