「無縁墓」防ぐ仕組みを提言 県メモリアル協がシンポ 沖縄
県メモリアル整備協会は30日、創立30周年記念シンポジウム「沖縄のお墓 過去・現在・未来」を那覇市の県立博物館・美術館で開き、県内で改葬(墓じまい)が急増する現状や、無縁墓となるのを防ぐ仕組みづくりについて話し合った。 同協会の八城正明理事が「無縁墓にしないように、自分ごととして考えてもらいたい」とあいさつ。高良倉吉琉球大学名誉教授が沖縄の墓の歴史について基調講演した。 続いて同協会が調査結果を報告した。県内41市町村への改葬許可の申請が2023年度は4841件で、2年前の約2倍に。都市開発が活発なエリアで多く、人口当たりの件数は全国平均の約2・5倍という。 同協会が昨年度請け負った改葬は702件で、改葬の理由は「継承者不在」が約6割を占めた。改葬先は「合葬墓」が約6割だった。 報告を受けての「沖縄お墓シンポジウム」は、同協会理事長の堤純一郎琉球大学名誉教授を司会に、司法書士や元那覇市職員らが議論。無縁墓の背景として改葬後の墓の撤去費や、墓と土地の所有者が異なることが挙がった。
今後、沖縄で急速に進む高齢化により「空き家と介護、仏壇、墓の問題がセットでやってくる」との指摘も出た。 最後に、無縁墓防止に向けて「個人墓地の登記と市町村への届け出の義務化」「市町村による個人墓地のデータベース整備」「改葬手続きの簡略化」などを提言した。
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