【独自】上司書記官がパワハラ 国を提訴へ 岡山県内 裁判所過失で精神的苦痛
岡山県内の裁判所で上司の男性主任書記官からパワハラを受け、うつ状態になって病気休暇を余儀なくされたとして、部下の男性書記官=50代=が国に330万円の損害賠償を求め、岡山地裁に近く提訴することが13日、関係者への取材で分かった。パワハラの直接被害に加え、適切な配置転換をしないなど裁判所の過失によって精神的苦痛を受けたと主張している。 訴えによると、パワハラは男性書記官が上司と同じ職場になった昨年4月から6月にかけて行われた。事務手続きや電話対応を巡り、大声を上げたり書類を机にたたきつけたりしながら同僚の前で叱責(しっせき)されたほか、以前の職場に触れ「過誤が多いから裁判官も諦めて注意しなかったのではないか」と能力を否定する発言を受けた。 こうしたパワハラをほかの上司は放置。うつ状態と適応障害の診断を受けて病休を取得した6~8月にも関係者への事情聴取はされなかった。復帰後も別の裁判所への異動希望が認められないなど「裁判所の対応には安全配慮義務違反があった」としている。 10月に最高裁の相談窓口に訴えたところ、広島高裁を通して指導があり、今年1月、パワハラが認定されたと裁判所から報告を受けたという。男性書記官は「パワハラに関する判断も行う裁判所の姿勢がこれでいいのか、今回の訴訟で問いたい」と話している。 裁判所は取材に対し「関係職員のプライバシー保護の観点から回答できない」とのコメントを出した。