台風5号 8年前の台風10号を上回る災害級大雨の恐れ 三連休に東北直撃か
既往最大比 岩手県沿岸では150%超 災害発生危険度が極めて高い状況に
一番上の図は、12日正午までに予想される48時間降水量の最大値とその降水量が、それぞれの場所において過去最大の降水量と比較して何割に達するのか、ということを示しています(既往最大比※)。 これが100%前後に達すると、甚大な被害の発生する可能性が高まり、150%を超えると犠牲者の発生数が急増する可能性があるという研究結果があります。 12日正午までの48時間に岩手県沿岸を中心に過去最大雨量の120~150%もの雨が降ると予想され、甚大な災害がさらに拡大する恐れが高くなっています。 8年前の災害を思い出して下さい。ハザードマップや非常用品の確認、避難場所を確認するなど大雨への備えを早めにお願いします。また、最新の気象情報を確認しつつ、雨が強まる前の10日(土)までに避難等を検討してください。大雨への備えや避難する際のポイントは次のブロックにまとめました。 ※ 既往最大比とは、解析雨量が1kmメッシュ化された2006年5月以降に観測された雨量の最大値との比のことです。
大雨への備えと避難のポイント
今回の台風では、東北太平洋側を中心に大雨が予想されていて、土砂災害や河川の増水、氾濫などの恐れがあります。 万が一に備えて非常用グッズをリュックにまとめておきましょう。懐中電灯などの電池が切れていないか確認して下さい。 また、万が一の断水に備えて、飲料水やトイレなどの生活用水の確保をして下さい。生活用水の確保は、浴槽に水を張っておくとよいでしょう。
10日(土)のうちに避難を
避難する際のポイントは2つあります。 1つめは、早めの避難を心掛けることです。10日(土)は、まだ天気は比較的穏やかです。お年寄りや障害のある方など、避難に時間のかかる方がいらっしゃる場合は、大雨になる前に行動してください。親戚や友人宅に移動するのも方法の一つです。また、夜中に大雨が予想される場合は、なるべく明るいうちに、避難所など安全な所へ避難することが重要です。 2つめは、より安全な所へ避難することです。これまで、土砂災害の多くは、木造家屋の1階で被害にあっています。すでに雨が強まっているなど、どうしても避難場所への移動が困難になってしまった場合は、近くの頑丈な建物の2階以上へ移るのも、選択肢の一つです。家の中に留まる場合も、斜面から離れた部屋や、2階以上の部屋へ移ってください。 万が一、土石流が発生した場合は、土砂の流れる方向に対して直角に、できるだけ高い所へ避難することが、命を守ることにつながります。
日本気象協会 東北支社 早坂 拓哉