熊本発“かすみさん”のカスミソウ花束 SNSで反響
小さな花が無数に広がる様が、春霞のように見えることから、その名がついたとも言われるカスミソウ。花と同じ名前を持つ“かすみさん”のカスミソウがSNSなどで話題となっています。
熊本県宇城市。真っ白なカスミソウで埋め尽くされたハウスで、収穫作業をしているのは、尾﨑佳子美さんです。 「名前がかすみというのもあって、昔から母に、カスミソウは花束に絶対使われる花だったので、あなたも周りから必要不可欠な存在になれるといいねと言われていた」 8年前、カスミソウ農家の弘敏さんと結婚する前は、ウエディングプランナーだった佳子美さん。最初に弘敏さんから言われたのは「まずはクモと友達になれ」ということ。慣れない農作業にも前向きに取り組んできました。
せっかく育てたカスミソウ 処分の危機…
自身と同じ名前の花と向き合う日々は、充実しています。そんな佳子美さんの転機となったのがコロナ禍。需要が激減し、せっかく育てたカスミソウを処分しなければならない可能性が出たのです。 「この咲きまくっている花をどうにかできないか」 思いついたのは、SNSを使って花束を販売すること。
当時、オザキノウエンでは市場への販売ルートしかありませんでしたが、SNSを活用してカスミソウの花束を消費者へ直接販売することに。白のイメージが強いカスミソウに、弘敏さん独自の染色技術を生かし、色とりどりのカスミソウを揃え販売すると、大きな反響がありました。 「こんなに粒が開いたカスミソウ見たことないとおっしゃってくださる方も多いですし、カスミソウだけの花束はなかなかないので本当に喜んでもらえたというような言葉をいただけますね。うれしいです」
より多くの人に自分たちのカスミソウを届けたいと新商品の開発にも取り組みました。オリジナルのギフトボックスに入った花束「Baby's breath Box」です。英語でカスミソウを意味するBaby's breath。赤ちゃんの吐息がカスミソウのように見えることから、そういわれているそうです。 「私たちの花で生活に彩りをもってもらいたいというのがあるので、気軽に家に飾れるような商品を作ったり、買ってもらえるようなシステムを作ったり。ゆくゆくは世界にいけたらなと、ぶっ飛んではいるんですけど思っています」 佳子美さんのカスミソウは、母の日の12日、熊本市の鶴屋百貨店で販売会が予定されています