2024年のF1世界選手権がいよいよ開幕 4年目の角田裕毅に膨らむ初表彰台の期待
2024年のF1世界選手権がいよいよ開幕する。初戦は中東のバーレーンGP。決勝は3月2日の土曜に実施される。そのため公式セッションとなるフリー走行は2月29日に始まる。連闘となる第2戦サウジアラビアGPも土曜決勝となる。 【画像】バーレーンのフィルミングデーでRBの新車を走らせる角田裕毅 注目は日本人で唯一参戦する4年目の角田裕毅。チーム名がアルファタウリからRB(レーシングブルズ)に改まり、21~23日にバーレーンで行われたプレシーズンテストではレッドブルの昨季型車と類似部分も多い新車「VCARB01」を走らせ、角田は20台中7番手のタイムをマーク。各チームともさまざまなテスト項目を消化しており、一概に他車との比較はしづらいが、車両の素性の良さは認められるようだ。 昨季は中盤までマシンのポテンシャルの低さに泣かされ、入賞6回でシリーズランキング14位と苦しんだが、車体がアップデートされたシンガポールGP以降は安定した走りを見せた。 最高位は1年目の最終戦アブダビGPで記録した4位。日本人の表彰台は2012年の日本GPで3位に入った小林可夢偉(当時ザウバー)以来、11年以上も生まれていない。秋から春に開催時期が変わった日本GP(第4戦、4月7日決勝)での母国表彰台の期待も膨らむ。 角田は3日間のテストを「多くの周回を確実に完了し、大きな問題もなく目標を達成できたのでポジティブで非常に生産的だった」と振り返り、「フリー走行に向けて良いベースラインができた。テストでのラップタイムには満足している」と手応えを強調した。 角田にとって今季はさらに気合が入る。チームにパワーユニットを供給するホンダにとって今年がF1参戦60周年の節目の年なのだ。デビュー戦は1964年の第6戦西ドイツGPでシーズン途中からの参戦だった。 ホンダエンジンではこれまで通算89勝を挙げている。2021年を最後にF1のワークス活動に終止符を打ったものの、その後もパワーユニット(PU)の供給は継続。ただし、記録上はホンダとしてはカウントされていない。22年は「レッドブルパワートレインズ(RBPT)」の名義で17勝。昨季は「ホンダRBPT」のPU名で22戦中21勝を挙げており、実際には127勝を計上している。日本製エンジンでは他に無限ホンダが通算4勝を記録している。 今季のチャンピオン候補はシリーズ4連覇がかかるレッドブルのマックス・フェルスタッペン(オランダ)。開幕前に来季のフェラーリ移籍を発表した元王者のルイス・ハミルトン(英国)にとってはメルセデスでの最後のシーズンとなる。このほか、プレシーズンのテスト内容を推察すると名門フェラーリ、マクラーレンの調子も良さそうだ。 RB以外に新たなチーム名となったのはアルファロメオ改めステークF1(キックザウバー)。新人ドライバーは1人もおらず、イタリア人、ブラジル人は今季もゼロ。 史上最多のシーズン24戦が組まれ、メインの決勝レース以外に実施される短距離レースのスプリントは第5戦中国、第6戦マイアミ(米国)、第11戦オーストリア、第19戦アメリカ、第21戦サンパウロ(ブラジル)、第23戦カタールGPの計6戦。 まずは角田が開幕戦でどれだけ上位に食い下がることができるかが見ものだ。シーズン序盤で旋風を巻き起こせば、シーズン途中のレッドブルへの電撃移籍も十分にあり得る。 【F1エントリーリスト】 チーム名 車番 名前(国籍) レッドブル 1 マックス・フェルスタッペン(オランダ) 11 セルジオ・ペレス(メキシコ) メルセデス 44 ルイス・ハミルトン(英国) 63 ジョージ・ラッセル(英国) フェラーリ 16 シャルル・ルクレール(モナコ) 55 カルロス・サインツ(スペイン) マクラーレン 4 ランド・ノリス(英国) 81 オスカー・ピアストリ(オーストラリア) アストンマーティン 18 ランス・ストロール(カナダ) 14 フェルナンド・アロンソ(スペイン) アルピーヌ 31 エステバン・オコン(フランス) 10 ピエール・ガスリー(フランス) ウィリアムズ 23 アレクサンダー・アルボン(タイ) 2 ローガン・サージェント(ウィリアムズ) RB 22 角田裕毅(日本) 3 ダニエル・リカルド(オーストラリア) ステーク 77 バルテリ・ボッタス(フィンランド) 24 周冠宇(中国) ハース 20 ケビン・マグヌッセン(デンマーク) 27 ニコ・ヒュルケンベルグ(ドイツ) [文/構成:ココカラネクスト編集部]