「気候アパルトヘイト」とは…気候変動で格差拡大のワケ COP29開幕【#きっかけ解説】
発展途上国は、災害をしのぐ手段がそもそも少ないんですね。それに加えて、気候変動が原因で家が壊れて住めない、食料が確保できない、また感染症がはやりやすいといったことから、それまでと同じ生活ができなくなり、さらに貧しくなるという問題も起きてくるのです。 しかも、先進国は二酸化炭素をより多く排出していて、発展途上国はあまり排出していないという「矛盾」もあります。
──こうした問題への対策はとられているのでしょうか? 先進国が発展途上国に対して、気候変動の被害を埋め合わせるための基金が、ロス&ダメージファンド=「損失と損害」基金というものです。 国ごとの二酸化炭素の排出量ランキングと「損失と損害」基金への拠出額ランキングを見てみると、排出量1位の中国は基金に参加していません。2位のアメリカも拠出額は11番目です。日本は世界5位の排出国ですが、上から15番目の拠出額となっています。
──このニュースで、小坂記者が一番知ってほしいことは何ですか? 「気候変動のしわ寄せ」です。日本のような先進国が気候変動への抜本的な対策をとらなければ、特に発展途上国がその被害にあえぐことになります。 そして、この現状を変えるには、私たちひとりひとりの意識だけではなく、大きな力を持っている政府や企業の姿勢が変わっていく必要があると思います。【#きっかけ解説】