インフルワクチン接種で「アルツハイマー病」リスク40%低減か。研究により驚きの事実が判明
インフルエンザや新型コロナウイルス、肺炎などのワクチンの最新情報を常に把握しておくことは、感染による重篤化を回避する上で非常に重要だ。 【写真】脳や記憶力、認知力を高める食品ベスト9 そこにまた一つ、見逃せない理由が加わった。これらのワクチンには、認知症から脳の健康を守るのに役立つ可能性があるというのだ。「最近の研究からインフルエンザや肺炎のワクチンは年齢とともに認知機能が衰えるリスクを低減することが示唆されています」と、アルツハイマー病協会で医療・科学関連副部長のヘザー・M・スナイダー博士は言う。 この最新研究とは、テキサス大学ヘルスサイエンスセンターの研究者が行ったもので、今秋、医学雑誌『Journal of Alzheimer’s Disease』に掲載された。彼らは65歳以上の患者160万人以上のワクチン接種記録を調べたところ、三種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)、帯状疱疹ワクチンと、肺炎球菌ワクチンを受けた人は、受けなかった人と比べて、その後8年以内にアルツハイマー病を発症するリスクに著しい減少が見られたという。 三種混合ワクチンを受けた人が認知症を発症するリスクは30%低く、帯状疱疹ワクチンでは25%、肺炎球菌ワクチンは27%低いと、数字的にかなり大きな違いだ。 この最新研究は、2022年6月に同じチームが行った研究で、インフルエンザワクチンを接種した人はアルツハイマー病発症リスクが40%低減するという重要なデータに続くものだ。セントルイス大学医学部が2021年に行い、医学雑誌『Vaccine』に掲載された研究でも、インフルエンザワクチンは認知症リスク低減に関係があると同様の結果を示している。 「これは、ワクチン接種が特定の感染病予防ではなく、免疫システムを訓練することで認知症リスクを低減する可能性があるという仮説と一致するものだ。もしワクチンが認知症を低減する原因要素と認められれば、現在の予防策より優れた効果を持つ安価で低リスクな治療法を提供できる」と当時、研究者は書いていた。