スターリンクなどのインターネット衛星がオゾン層を破壊する可能性…再突入時に酸化アルミニウムを発生(海外)
高速インターネットの革命
多数の小型衛星を地球低軌道に置くシステムは、大量のデータを素早く処理することが可能にする。 初期の衛星は、今よりもはるかに高い所で稼働していた。その代償として通信速度は遅かったが、寿命は今よりもはるかに長かった。 イーロン・マスクがスターリンクの親会社であるスペースXを創業したのは2002年で、そこから宇宙業界最大手の1つへと育てた。 スターリンクの衛星を実験として最初に打ち上げたのは2019年だった。 以来打ち上げは続き、巨大なメッシュ状のメガコンステレーションを形成して、グローバルな高速インターネット・アクセスへの膨大な需要を満たしてきた。特にウクライナでは、この技術が国の防衛通信に不可欠なものになっている。 スターリンクのXアカウントは5月、100の国と地域、300万人のインターネット顧客にサービスを提供していると述べた。
奇跡のサクセス・ストーリーが一時停止に
1970年代、フロンガスの大量使用でオゾン層に巨大な穴が開いていることが分かった。1987年にフロンガスが禁止されると、オゾン層は破壊の進行は遅くなり、2013年にはオゾン層は数十年以内に自己修復するだろうと予想されていた。 これは、世界中にあるさまざまな気候関連問題の中でも珍しいサクセス・ストーリーだった。だが今、修復が止まってしまう可能性があるとUSCの研究者らは述べている。 「予期していなかった酸化アルミニウムの増加が、今後数十年でオゾン層が回復するというサクセス・ストーリーを一時停止させるかもしれない」と研究者らは書いている。 2023年には欧州宇宙機関(ESA)のオブザーバーらが、南極上空のオゾン層の穴はブラジルの約3倍の大きさで「史上最大級」だと指摘した。 当時、同機関は原因を特定するのは時期尚早だとし、可能性のある要因としての衛星の再突入と燃焼には言及しなかった。 Business Insiderはスターリンクに通常の営業時間外にコメントを求めるメールを送ったが、回答はなかった。
Mia Jankowicz