【独自】尹大統領、4月の総選挙前に国防長官と国情院長に「近いうちに戒厳」
内乱罪被疑者である尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は今年3月末、当時のシン・ウォンシク国防部長官(現国家安保室長)、チョ・テヨン国家情報院長、キム・ヨンヒョン大統領警護処長を呼び集め、「非常戒厳を実行する」という積極的な意思を明らかにしていたという。非常戒厳の実行において要となる国防部と国情院の長に尹大統領がこのような意思を伝え、戒厳を実行しようとしていたとすれば、数々の悪材料で与党の支持率が下がったことから総選挙そのものと国会を無力化しようとしていたことが疑われる。 22日、ハンギョレの取材を総合すると、尹大統領は今年3月末、当時国防部長官だったシン室長、チョ院長、大統領警護処長だったキム前長官と数人の軍の関係者をソウル鍾路区三清洞(チョンノグ・サムチョンドン)の大統領の安全家屋(秘密活動に用いる一般住宅)に呼んで夕食を取った。この席で尹大統領は、当時の政治状況などに激怒しつつ、「近いうちに戒厳をしなければならない」との考えを明らかにしたという。シン室長やチョ院長らその場にいた人物は、尹大統領を積極的に止めたという。それだけ尹大統領の戒厳に対する意志が強く、具体的だったということだ。 尹大統領は昨年12月末にも、当時国防部長官だったシン室長、国家安保室長だったチョ院長、キム・ミョンス合同参謀本部議長、キム前長官らをソウル龍山区漢南洞(ヨンサング・ハンナムドン)の官邸に呼び、戒厳と非常大権(国家危機の際に大統領が取る非常措置)に言及したという。この時は実際に戒厳実行の意志を強く表明したわけではなく、呼ばれた人物たちが戒厳を積極的に止める状況ではなかったが、今年3月末には尹大統領の戒厳の意志が強まっていたということだ。 このことについてチョ院長は、「昨年12月と今年3月にそれぞれ大統領官邸と安家で尹大統領は戒厳などに言及したのか」とのハンギョレの問い対し、国家情報院を通じて「激励の場に出席したことはあるが、非常戒厳についての論議はなかった」と答えた。検察非常戒厳特別捜査本部(本部長:パク・セヒョン高等検察庁長)は先日、チョ院長を非公開で呼び出し、尹大統領との戒厳論議や政治家逮捕指示などについて広範に取り調べている。 カン・ジェグ、ペ・ジヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )