リニア工事残土、岐阜・中津川市に恒久置き場設置へ JR東海、来年度着工目指す
JR東海は20日、岐阜県中津川市内のリニア中央新幹線トンネル工事現場で出た残土を搬入する恒久的な発生土置き場を同市千旦林の中部総合車両基地用地北側に設けるための環境調査と影響検討が完了し、県と中津川市に資料を提出した、と発表した。資料を基に年度内に環境保全計画書を作成・公表し、来年度の着工を目指す。正式に恒久的な残土置き場となれば、県内のリニア工事では初となる。 恒久的な発生土置き場として造成するのは約12ヘクタール。約100万立方メートルを盛り土していく計画で、ヒ素などの重金属を含む「要対策土」についても遮水シートを使いながら封じ込め工法により土中に埋め立てる。 併せて南側の中部総合車両基地用地約50ヘクタールの造成工事でも、中津川市内の工事で発生した要対策土を受け入れ、遮水した上で地中に封じ込める計画の環境調査と影響検討も完了した。両方で最大約40万立方メートルの要対策土が埋却可能となるが、JRは市内の工事で発生する要対策土は30万立方メートル程度になると見ている。 中津川市を通るリニアは延長約16キロで、3本のトンネルが掘削される。中部総合車両基地そばに恒久的な発生土置き場を設置することについて、JRは2019年11月に地元説明会を開くなど、住民や市と協議しながら進めてきていた。
岐阜新聞社