「僕も似た経験をした」…クルトワはエンバペを擁護「レアル・マドリードの要求は簡単ではない」
レアル・マドリードに所属する元ベルギー代表GKティボー・クルトワが、チームメイトのフランス代表FWキリアン・エンバペの状況を自身の目線から分析した。スペインメディア『マルカ』が12月1日、クルトワのコメントを伝えている。 【ハイライト動画】エンバペの2戦連発がチームを勝利へ導く 今夏の“目玉補強”としてレアル・マドリードに加入したエンバペは、今季ここまで行われた公式戦19試合のピッチに立って10ゴール2アシストをマーク。デビュー戦となったUEFAスーパーカップのアタランタ戦(○2-0)で早速ゴールを決めると、9月には公式戦5試合連続ゴールもやってのけた。12月1日に行われたラ・リーガ第15節ヘタフェ戦(○2-0)でも、1点をリードして迎えた38分、イングランド代表MFジュード・ベリンガムからのスルーパスに抜け出すと、ボックス手前から右足で狙い澄ましたミドルシュートを沈めており、現在はラ・リーガで2戦連発中だ。 だが、そのパフォーマンスが批判の的となることも少なくはない。11月27日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)・リーグフェーズ第5節のリヴァプール戦ではPKを失敗しており、ヘタフェ戦では決定機を逃す場面もあった。 ここまでのシーズン、PKによるゴールが多いのは事実ではあるが、通常の選手であれば称賛に値する数字を残しているとも言える。だが、スター選手が集うレアル・マドリードで9番を託された選手の期待値は計り知れないほど大きい。期待値の高さも相まって、現状では本来の力を遺憾無く発揮しているとは言い難い状況なのだろう。 チームメイトのこのような状況を受けて、クルトワがヘタフェ戦後に口を開いた。自身もチェルシーからレアル・マドリードへ完全移籍加入して迎えた2018-19シーズン、当時のチームにはCLで3連覇に貢献した元コスタリカ代表GKケイラー・ナバスが在籍していたこともあって、クルトワは開幕直後はベンチに座る試合もあった。ゴールマウスを託されるようになってからも、常に過去の偉大な先人との比較を強いられながら、信頼を勝ち取った過去がある。 クルトワは自身の加入当初の時期を振り返りながら、次のように語り、現在のエンバペが置かれた状況に理解を示した。 「僕も似たような経験をした。(サンティアゴ)ベルナベウの観衆とレアル・マドリードからの要求は簡単ではない。自分がどこから来て、何が待っているかは分かっているはずなのだが、本当に難しいんだ。努力をしているのに、それに見合った評価を得られていないと感じることもある」 似た境遇を知るクルトワは、エンバペが現状を打破するため、「落ち着いて、簡単なことをしっかりやって、それから難しいことに集中しなければならない」と主張。「1度自分のリズムを作ることができれば、必ず問題は解決できるはずだ」と、チームメイトが壁を乗り越える上での鍵を説明した。 一方で、エンバペのプロフェッショナリズムの欠如については真っ向から否定。「彼が妥協をしているとか、努力をしていないとか、そのような問題ではない。プロ意識の欠如が生んだ結果ではなく、物事にはうまくいかない瞬間があるだけだ。先ほども指摘したように、僕自身にも起こったことと同じだよ」と述べると、エンバペがレアル・マドリードに認められる選手になるために、「ターニングポイントとなるような試合が必要だろう」と語った。 ただし、クルトワは「心配はしていないよ。近いうちに、そんな試合が来ることを確信しているからね」とも発言。練習中には素晴らしいゴールを連続して決めていることに触れつつ、ヘタフェ戦のエンバペのゴールについても、「難しい状況のなかで見事に仕留めたゴールだったじゃないか。あのゴールが、彼の自信につながるといいね」と指摘している。 次節、レアル・マドリードは4日に本拠地『サンティアゴ・ベルナベウ』にて、現在公式戦3連勝中と好調のアスレティック・ビルバオを迎え撃つ。クルトワは「アスレティック戦では、彼がハットトリックを達成してくれることを願っておくよ」と発したが、同試合はエンバペにとって“ターニングポイント”と言える一戦になるだろうか。
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