＜ソ・日＞10勝目を挙げた山崎福はナインと笑顔でタッチを交わす（右は新庄監督）（撮影・岡田　丈靖）

　◇パ・リーグ　日本ハム3―2ソフトバンク（2024年9月17日　みずほペイペイD） 　日本ハムは17日、ソフトバンク戦に3―2で競り勝った。2連敗すれば相手のリーグ優勝が決まる中、18日の目の前での胴上げは阻止した。中12日で先発した山崎福也投手（32）は6回4安打1失点の好投で、2年連続2桁の10勝目。チームはCSでの再戦を避けて通れない首位相手に5連勝を飾り、新庄剛志監督（52）就任後初めてで18年以来6年ぶりとなるレギュラーシーズン勝ち越しを決めた。 　22年の開幕戦。就任1年目だった新庄監督は、敵地での初陣でソフトバンクに1―4で敗れた。あれから2年。新庄政権始まりの地で宿敵を下し、18年以来6年ぶりのシーズン勝ち越しが決定。しびれる1点差ゲームをものにし、振り返った。 　「まじ“きんちょうつよし”。優勝するのにあと（可能性は）何％ある？チャンスあるんじゃない？」 　先発の山崎が雪辱を果たした。初回こそ先制点を許すも、切れのある直球で要所を抑え、2回以降は無失点。6回4安打1失点でオリックスに在籍した昨季に続く2年連続2桁の10勝目を挙げ「移籍初年度でこのような成績を残すことができホッとしています」と表情を緩めた。FA移籍初年度の2桁勝利は、20年のロッテ・美馬（10勝＝前楽天）以来で、史上8人目となった。 　直近2試合は5回持たず、ともに5失点と炎上。前回4日のソフトバンク戦は、この敵地で3回5失点KOに沈んでいた。新庄監督は「一回温泉でも行ってもらって」と翌5日に“リフレッシュ”として出場登録から外した。左腕はすぐに投球フォームを何度も見返した。山崎は「突っ込んでいた部分があった」とバランスを修正。好調だった前半戦の投球を取り戻し、中12日のマウンドで実演してみせた。新庄監督も「今日は真っすぐの切れがあった気がする。気持ちのリフレッシュをすればすぐ戻るから」と及第点を与えた。 　2連敗で相手の優勝が決まる一戦。初戦を制し、目の前での胴上げを阻止した。新庄監督は「選手たちにそれ（胴上げ）を見せるのも良いかな？と思ったけど…。ちくしょう！見られなかった」と冗談交じりに笑った。ソフトバンク戦はこれで5連勝で、CS進出へのクリンチナンバーは「6」。最短で22日にも、2年連続最下位からのCS進出が決まる。その舞台では避けて通れない首位相手に、より強烈なイメージを植え付けたのは間違いない。（清藤　駿太） 　≪CS確定は最速で22日≫日本ハムのCSクリンチナンバーは1減って6となった。3位以内確定は最速で22日。日本ハムが18日のソフトバンク戦から22日のオリックス戦まで4連勝した場合、残り10試合に全敗しても72勝63敗8分けで勝率・5333。この間、ロッテが3戦3敗となると、残り8試合に全勝しても73勝64敗6分けで勝率・5328となり日本ハムに届かなくなる。この時点で日本ハムの勝率を上回れる可能性があるのはソフトバンクと楽天の2球団となるため、3位以内が確定する。なお、17日時点では既に進出を決めたソフトバンクを除き、日本ハム、ロッテ、楽天に自力でのCS進出の可能性がある。