花園が今季初勝利 東花園駅勤務のSH河村謙尚が14連敗阻止する逆転トライ「まわりが作ってくれた」/リーグワン
リーグワン1部第14節最終日(21日、花園34-23BR東京、花園)開幕13連敗で最下位(12位)だった花園が逆転勝ちで今季初勝利を挙げた。BR東京は2勝12敗の勝ち点13で10位のまま。花園は勝ち点6で勝利数、勝ち点とも11位の三重と並んだが、直接対決で敗れているため、順位は変わらなかった。 【写真】東花園駅の駅員として勤務する花園SH河村謙尚 花園は雨の中、前半20分までに3-14とリードされたが、粘り強く反撃。2トライ(2ゴール)を返して17-17で折り返すと、後半は2トライ(2ゴール)1PGを加えて逆転。守りでは相手を2PGだけのノートライに抑え、振り切った。 SH河村謙尚(24)が2季目で公式戦初先発。テンポのよいパスさばきと、巧みなキックで攻撃をリードすると、17-20の後半6分には、味方がタックルされた後のこぼれ球を拾い、軽やかなステップで相手防御をかわして右中間に逆転トライを決めた。 河村は「初勝利はうれしい。やっと(先発で)出られるという思いもあった。きょうの(自分の)パフォーマンスには満足しています」と笑顔。逆転トライには「FWが前に出てくれ、バックスが大きくゲインしてくれた。まわりが作ってくれたチャンスですが、試合の流れ的にも大きかったと思います」と充実の表情を浮かべた。 大阪・常翔学園から早大を経て2022年春に花園に加入した河村は社員選手で、普段は花園ラグビー場の最寄り駅の東花園駅に勤務。練習がない日は午前7時に出勤し、ラッシュ時のホームでの乗客誘導や駅構内での乗客対応や会計処理などを行っている。すでに2部との入れ替え戦出場が決まり、1部残留を目指すチームに貴重な新戦力が加わった。 日本代表やトップリーグ時代の東芝(現BL東京)などの監督を歴任し、今季就任した向井昭吾ヘッドコーチは「私にとっても何年かぶりの勝利。(選手たちに)ありがとうという思い」と喜び、「雨の中、セットプレーも安定し、マイボールをキープできた。FWの頑張りの勝利」とたたえた。(月僧正弥)