続いては特集です。 南砺市井波地域で空き家の再生が進み、ここ5年間で40軒以上も新たな店舗や事業所が誕生しているのをご存じでしょうか。 その人気のワケは。 井波で事業を始めた人と、地元でまちづくりに取り組む団体に聞きました。 木彫刻の町として知られる、南砺市井波地域。 そのシンボル、瑞泉寺を中心としたエリアに続々と新たな店がオープンしています。 クラフトビールの醸造所「NAT.BREW」。 もともと、住宅兼事務所だった建物を、リノベーションし、去年2月にオープンしました。 ＊NAT.BREW　醸造責任者　望月俊祐さん 「定番品の『クママッシグラ』。地元の干し柿を使ったクラフトビールです」 売りは、南砺市産の食材を原料につくる地域色豊かなビール。 干し柿を使った「クママッシグラ」は、今年、国内最大級の品評会で最高賞の金賞を受賞するなど高い評価を得ています。 醸造責任者の望月俊祐さんは山梨出身。 地元の有志が、井波地域でクラフトビールの醸造家を募集していたことが、出店のきっかけとなりました。 ＊NAT.BREW　醸造責任者　望月俊祐さん 「都市部ではないので集客があるか不安だったり、地元の方からすると僕らはよそ者なので受け入れてもらえるのか不安はあった。地元みたいな雰囲気で入り込めているかなと」 こちらは去年12月に印刷会社の倉庫をリノベーションし、オープンした古着店Lantern。 1960年代から2000年代までのアメリカ製の古着をメインに、オリジナルブランドの商品も展開しています。 ＊Lantern　オーナー　有本大生さん 「うちは古着屋なので、トレーナー自体は古着。古着の無地の物でアメリカ製に絞って集めて、上からブランドのネームを刺繍で入れているアイテム」 埼玉出身の有本大生さんは、原宿のショップ店員などを経て、独立を機に南砺市に移住。 古着を目当てに井波で街歩きをする若者を増やしたいと意気込んでいます。 ＊Lantern　オーナー　有本大生さん 「元々過疎地域ということを聞いていたので平日の昼は人も歩いていないのが現状。店に行けばお客さんが入っていたり、そのお店目当てに来ていたり。集客の力が強いお店が点在しているのが強みと思ってそこが決め手になった」 井波地域では、こうした出店が相次ぎ、2019年度からの5年間で44軒の空き家が店舗や事業所などに生まれ変わりました。 木彫刻の町で相次ぐ出店、井波への出店者は口を揃えてある団体の存在がきっかけになったと話します。 ＊haiz coffeecoffee roastery　清水栄治副代表 「もともとジソウラボという団体があって」 ＊NAT.BREW　醸造責任者　望月俊祐さん 「まずジソウラボの取り組みでクラフトビールの醸造家を募集しているというのをみつけて」 ＊Lanternオーナー　有本大生さん 「ジソウラボがそういう動きをしていなかったら僕もここにたどり着いていない」 こうした井波の出店ラッシュを仕掛けているのが、2020年に林業家や総合建設エンジニアなど異業種7人の有志で立ち上げた団体、ジソウラボ。 井波で出店を目指す人に空き物件を紹介したり、地域の人へ顔をつないだり、起業家を支援してきました。 そのコンセプトが「つくる人をつくる」。 約230年前、火災で焼失した瑞泉寺を再建するため、京都の彫刻師、前川三四郎が井波を訪れたことがきっかけで木彫刻の文化が根づいた歴史に倣って、新たな街や文化をつくる人を外から呼び込もうというのです。 代表理事の島田優平さんと理事の藤井公嗣さんにこれまでの取り組みと今後の展望を聞きました。 ジソウラボので職種を決め募集した？ ＊ジソウラボ　理事　藤井組社長　藤井公嗣さん 「どんな人材を呼びたいかジソウラボの理事で話し合う。理事だけです。僕たちがこの街に何があれば街がよくなるだろうと」 どうしてパン屋さんとコーヒー屋？ ＊ジソウラボ　代表理事　島田木材社長　島田優平さん 「楽しい町には条件的にそういう店があるという裏付けがあり議論した。」 自分が食べたいから？ ＊ジソウラボ　理事　藤井組社長　藤井公嗣さん 「でもそこもすごく大事で、それがあるから情熱を持って伴走できる」 行政の支援との違いは？ ＊ジソウラボ　代表理事　島田木材社長　島田優平さん 「ここに、この人に、ここだけに僕たちならできる。僕たちはターゲットを作って、そこに対して事業をやろうと。ある意味僕らにしかできない」 今後の挑戦テーマは？ ＊ジソウラボ　代表理事　島田木材社長　島田優平さん 「ジソウラボがやらないといけないのは、次の世代の人を作ること。ジソウラボとして長く活動するというよりも次へ送り出して、プレーヤー、主役が増えていく環境を作ることができるといい。 ＊ジソウラボ　理事　藤井組社長　藤井公嗣さん 「ジソウラボがなくなってもなくても、つくる人、井波をよくしたい人が集まる形を作りたい。つくる人をつくる人をつくっていきたい」 6日、日曜放送のBBT報道シンそう富山では、生まれ変わりつつある井波にスタジオを移し、おしゃれで魅力的なまちの雰囲気をそのままお伝えすることにしています。ぜひ、ご覧ください。