なぜ「小さな高級車」支持される? コンパクトカーなのに「クラス超えの豪華内装」採用が増加! 高価格な小型車はどんな人が乗るのか
「小さな高級車」増加中! なぜ支持される?
近年、コンパクトカーに豪華な内装を誂えるモデルが多くなっています。 かつてコンパクトカーは「ベーシックなモデル」という印象がありましたが、なぜ高級化しているのでしょうか。 【画像】超カッコイイ! これが「小さな高級車」です! 画像で見る(30枚以上)
日産「ノート」の上級タイプである「ノートオーラ」が想像を超えるヒット作となり、2023年12月下旬にレクサスからデビューした「LBX」は、好調な初期受注が伝えられています。 その2台に共通するのは“プレミアムなコンパクトカー”ということ。小さな車体サイズとしつつ、内外装の仕立てをよくし、上級装備を搭載してプレミアム性を明確にしているのが、一般的なコンパクトカーとの違いと言えるでしょう。 しかし、かつてはそういったコンパクトカーはほぼ存在せず、コンパクトながら本革シートを用意し静粛性を高めるなど、プレミアムを訴求した希少な例と言えるマツダ「ベリーサ」なども大きなヒットとはなりませんでした。 ノートオーラやLBXのヒットから導き出せるのは、ここへきて時代が変化しているということ。果たして、昨今の“小さな高級車”のニーズの広がりは、どんな背景があるのでしょうか。 実は、理由ははっきりしています。それはダウンサイザーの増加です。 ダウンサイザーとは、買い替えの際にそれまでよりも小さな車体のクルマを購入する人たちのこと。サイズを“ダウン”するのでダウンサイザーというわけです。 中心的な年齢層は、子育てが終わった人たちです。車体が大きなミニバンやSUVなどに乗っていたけれど、子供が手を離れて一緒に出掛けることもなくなり、広い室内やラゲッジスペースが必要なくなったことを受けてコンパクトカーに乗り換えるユーザーです。 また、年配になり、大きなクルマは運転がわずらわしいから小さなクルマに乗り換えたいという人もいるでしょう。そういった例も典型的なダウンサイザーと言えます。 彼らの考えにあるのは、小さいクルマといっても価格の安さを求めるのではなく、あくまで車体サイズだけを小さくしたいという事です。 それまで高額なクルマに乗っていたことから「小さな車体とはいえ、快適装備が貧弱になったり内装の質感が低くなるのは受け入れられない」というわけです。 コンパクトカーだからと言って安さを求めるのではなく、小さなクルマでも内容が伴っていればお金を出すことに納得する、という金銭感覚を持っているのは言うまでもありません。 そういったニーズと合致するのが、小さな高級車というわけです。 たとえばそれまで日産「セレナ」に乗っていたら、ノートオーラはダウンサイジングにピッタリの立ち位置。 トヨタ「アルファード」に乗っていた人やレクサスのSUVに乗っていた人にとっては、LBXがちょうどいい存在というわけです。 小さな高級車は、大型車から乗り換えても所有欲を満たしてくれる存在といえるでしょう。