3万年以上前の人類史を紐解く大発見があった普天満宮洞穴遺跡 更なる発見を求めて発掘調査始まる
2024年4月、沖縄国際大学の考古学研究室による発掘調査で、3万年以上前に人類が火をたいた跡が見つかったことが発表され話題となった。 【画像】3万年以上前の人類史を紐解く大発見があった普天満宮洞穴遺跡 更なる発見を求めて発掘調査始まる 当時の人々はどのように生活していたのか。琉球列島の人類史の謎をひも解く更なる手がかりを探すため、再び普天満宮(ふてんまぐう)洞穴遺跡で調査が実施された。
今回の調査は道具の発見を目指す
「極めて冷静に話しているつもりだが、実習でそういう遺跡にあたること自体がなかなかないので、ものすごく興奮しています」と話すのは、沖縄国際大学の新里貴之准教授。 2023年、沖縄国際大学・考古学研究室が普天満宮洞穴遺跡で実施した発掘調査で見つかったのは、3万2000年前から1万8000年前の人類が火をたいた跡や焼けた跡が分かる石(礫)など。 これは、約3万6000年前の人骨が発見された山下町第一洞穴遺跡などと並び、沖縄県内でも最古級の人類の活動の痕跡で、沖縄の人類史を考える上で極めて重要な遺跡のひとつだと話題になった。 しかし、鋭い石器を使って生活していた県外の旧石器文化のような“道具”はまだ見つかっておらず、3万年以上前に琉球列島の人々がどのように生活していたのか、その謎を紐解くために今回の調査では“道具”の発見を目指す。 沖縄テレビ 小林美沙希アナウンサー: 琉球八社※のひとつ普天満宮。ここにある洞穴で2024年も発掘調査が始まります ※琉球八社:琉球王国時代、「琉球八社(官社)の制」により王府から特別な扱いを受けた8つの神社
普天満宮や市の協力も得て調査実現
調査に参加するのは考古学研究室の学生たち。普天満宮洞穴は聖域のため、安全を祈願してから調査に臨む。 沖縄国際大学 新里貴之 准教授: 神域であり、聖域であるので、一切そういう発掘はできないところだったんですが、宮司さんのご協力や宜野湾市の教育委員会の方も協力してくださって、2024年で3回目、3年目の調査になります 普天満宮洞穴は、戦前までは本殿があった神聖な場所である。 普天満宮 新垣義夫 宮司: 調査はいいことだから、いま調査しているところまでは掘っていいよということで また新垣宮司は、「沖縄の古い縄文時代、あるいはそれよりもずっと前のものでもいいので、そういうものに興味のある学生が育つといいな」と調査に期待を込めた。 2023年に続き調査に参加した学生もいる。 沖縄国際大学3年 上原紫華さん: 今回ここを掘るにあたって、みんなで協力して、また新たな発見があったらいいなと思っています 沖縄国際大学3年 金城あいのさん: 炉跡以外の人類の痕跡が見つかればなと思っています