BC茨城のプロ注目強肩強打捕手、大友宗はあの名門社会人チームを辞めてまで独立リーグにかけた
<ルートインBCリーグ:神奈川5-4茨城>◇7日◇プレーオフ・ファーストラウンド◇横須賀スタジアム BC茨城が敗れ、シーズンの全日程が終わった。 NPB入りの目標をこの1年にかけている大友宗捕手(25)の、このチームでの戦いも終わった。 「1年間通して試合に出させてもらって、野球がうまくなったんじゃないかと思います。ラストチャンスというか、これでダメだったら野球も辞めようという覚悟でやってきたので、集中してやるマインドを1年間保って戦えたのは良かったと思います」 敗れたものの達成感が表情ににじむ。NPB複数球団の関係者が視察する中で、同じくドラフト候補のBC神奈川・安里から文句なしの本塁打も放った。ノーステップ打法での1発。「1年間通しての体の強さや投げる力、遠くへ飛ばす力を武器にしてやってきたつもりなので」と総決算の1発にもなった。 社会人野球の強豪・日本通運を退社し、独立リーグでの1年にかけた。出場機会が増え、NPB入りへの近道と考えた。3月には、BC茨城の色川冬馬GMが代表を務める米トラベリング・チーム「アジアンブリーズ」で前DeNA・バウアーが登板した際、捕手役に抜てきされた。 「3イニングだったんですけど、自分の野球人生の大きなきっかけになったというか、これがサイヤング賞をとる投手なんだという指標にもなりました。投球練習中もずっとイヤホンをしていて。しっかりやることが確立されているから、自分の世界に入って準備できて、自分のパフォーマンスを出せるんだと」 大きな学びをBCリーグの公式戦でも生かし、1年間のパフォーマンスを維持してきた。 25歳になった。あるスカウトは「時間はないですよね。即戦力候補として1、2年ですぐに1軍に出られるかどうか、各球団とも最終的にそこを判断すると思います。候補に入ってくるとは思いますけどね」と話す。二塁送球1・8秒もある強肩も含め、どこまで印象に残してこられたか。 帝京大時代はロッテ広畑敦也投手(26)が同部屋の先輩で、日本通運時代はオリックス古田島成龍投手(25)と同期入社だった。「すごくいい刺激になっていますね」。 10・24のドラフト会議まであと1カ月半ほど。この先はBCリーグ選抜のメンバーに選ばれる可能性が高く、いよいよ総決算の時期が来た。 「悔いはありません。もし指名されなかったとしても、この(社会人チームを辞める)選択をして良かったなと思います」 まだ道が続くことを信じて、待つ。【金子真仁】