「危険ため池」をパトロール 梅雨入り控え 県や市職員ら【山口】
梅雨入りを前に、県と各市町が協力し、老朽化で決壊の恐れがある「危険ため池」のパトロールが8日、山口市阿知須の長堤池で行われた。県や市の職員、災害ボランティアら14人が点検し、管理者へため池の状態を周知して維持管理の必要性を伝えた。 県内には全国で5番目に多い7566のため池があり、築造から100年以上が経過している池も多い。同パトロールでは15日までに117カ所ある危険ため池を点検。市内では10日までに19カ所を調査する。 長堤池は堤高4・2㍍、堤長69㍍、貯水量1万㌧、受益面積9・0㌶。農業用水として使われ、下流域には家屋や農業用施設がある。 参加者は水を貯める堤体(ていたい)に陥落や崩壊している箇所がないか、水を下流に流す取水施設の栓が機能しているかなどをチェックした。下流側の堤体ののり面で陥没や漏水が判明。当面の処置として決壊のリスクを避けるため、水位を下げることを管理者へ依頼した。 今年度から安全性の確保に向けて堤体の全面改修に着手する。年度中は調査設計を行い、工事計画を作成して来年度から工事を開始する。 県農村整備課の中尾宏昭主査は「管理者には定期的な見回りと草刈りをしてもらい、ため池に変状があれば県や市に知らせてほしい。災害に備えてため池ハザードマップを活用して避難場所や経路を確認してほしい」と話していた。