広島・大瀬良の快挙は血と汗と涙の結晶 宝刀カットボール以外に磨きをかけた「第3球種」
◇交流戦 広島4-0ロッテ(2024年6月7日 マツダ) 【記者フリートーク】われながら、よくやってきたと思う――。5月某日。広島・大瀬良は、そう言って苦笑した。代名詞でもある宝刀カットボール。本人の表現を借りれば、入団以来「11年間、カット1本でやってきた」。併せて発した言葉がまた印象的だった。 【写真】お立ち台でポーズを決める野間、大瀬良、小園。あれ、スラィリーの色が! 「ただ、それだけではもう厳しい…」 打者の内角を厳しく突く必要性を、改めて強く感じていた。真っすぐがシュート回転しないよう、日々のキャッチボールではフォーク、カーブを意識して多めに投げる。独自の工夫だった。 宝刀は、内懐を突いてこそ威力が増す。この日、カットボールで奪ったアウトは10個。本人が「第3球種」と呼び、努めて磨きをかけてきたカーブ、フォーク、スライダー、シュートでのそれも10個を数えた。3度の右肘手術を受けてなお、飽くなき向上心。快挙は血と汗と涙の結晶だ。(広島担当・江尾 卓也特別編集委員)