オラクル株が急伸、新規の大型クラウド契約で売上高に弾み
(ブルームバーグ): 米オラクルの株価が11日の米株式市場時間外取引で一時13%急伸。同社が発表した2023年12月-24年2月(第3四半期)決算では、注目されるクラウドコンピューティング事業での受注増加が示され、競争の激しい市場で市場シェア拡大を目指す取り組みの前進が鮮明になった。
受注残の指標である残存履行義務は、第3四半期末時点で800億ドル(約11兆8000億円)で、アナリストが予想した590億ドルを大幅に上回った。サフラ・カッツ最高経営責任者(CEO)はこの数字について、「第3四半期に締結された新規の大型クラウドインフラストラクチャー契約」が要因だとし、勢いを示す証拠だと述べた。
データベース用ソフトウエアで知られるオラクルは、アマゾン・ドット・コムやマイクロソフト、アルファベット傘下のグーグルに対抗すべくクラウドインフラ事業の拡大に注力している。こうした取り組みはここ数四半期に逆風に直面し伸びが鈍化していたが、第3四半期に売上高は前四半期とほぼ同じペースで増加し安定化の兆しが見えた。
オラクルの株価は時間外取引で一時130.72ドルに急伸した。
カッツCEOは「今後もクラウドインフラストラクチャー能力を確保するための大型契約が続くと予想している」と述べ、オラクルは需要に対応するため新たなクラウドデータセンターを「極めて迅速に」開設していると付け加えた。
発表資料によると、11-2月期のクラウド収入は25%増の51億ドルとなり、ウォール街の予想50億6000万ドルをわずかに上回った。内訳はインターネット上でのコンピューティング能力とストレージ(記憶容量)のレンタルによる収入が18億ドル、アプリケーション関連が33億ドル。
11-2月期の総売上高は7.1%増の133億ドルで、ブルームバーグが集計したアナリスト予想とほぼ同水準だった。1株利益は一部項目を除いたベースで1.41ドル。市場予想平均は1.38ドルだった。