衆院選広島3区の公明枠固定化、自民に懸念も 斉藤鉄夫国交相の公明代表就任で
斉藤鉄夫国土交通相の公明党代表就任で、地盤の広島3区を巡る自民、公明両党の候補者調整が再び焦点となる。2019年参院選広島選挙区の大規模買収事件を受け、自民党は最近2回の衆院選で候補擁立を見送り、公明党に譲った。1996年の小選挙区導入から事件以前の8回の衆院選で自民系候補が7回当選した選挙区で、公明枠が「固定化」されるとの懸念も自民側に出ている。 衆院選広島3区で当選した斉藤鉄夫氏 公明党は21年衆院選で、比例中国ブロック選出の斉藤氏を「与党統一候補」として広島3区に送り込んだ。自民党広島県連が公募を経て3区候補者に決めた石橋林太郎氏は、比例中国ブロックに回った。 次の衆院選の対応は、両党本部と両県組織の4者が協議して決めると合意していた。ところが公明党は23年1月、県組織での協議を経ずに斉藤氏を3区で公認。これを受けて自民県連は党本部に対し、石橋氏を将来の衆院選候補となる「3区支部長」にするよう重ねて求めている。 斉藤氏が代表になれば公明党の「選挙の顔」になるのは確実だ。自民県連には「公明党は絶対に広島3区を譲らない」との見方が出ている。 石橋氏はこの日、「支部長に私を早く選んでほしい気持ちは変わらない」と改めて強調した。斉藤氏は、報道陣に3区への対応を問われ「両党で話し合って決める。私はそれに従うだけ」と述べるにとどめた。
中国新聞社