【ボクシング】世界王者の田中恒成、41度高熱発するアクシデントも「今のコンディションいい」
ボクシングの世界4階級制覇王者で、WBO世界スーパーフライ級王者の田中恒成(29=畑中)が9日、名古屋市内の所属ジムで初防衛戦に向けて練習を公開した。 【写真】初防衛戦へ練習を公開した田中恒成 田中は20日、東京・両国国技館のトリプル世界戦で同級12位ジョナタン・ロドリゲス(28=メキシコ)の挑戦を受ける。 田中は「今のコンディションはいいです。今週はしっかり動いて来週は調整したい」と世界戦12戦目と豊富なキャリアを誇るだけに余裕を示した。 ただ、約1カ月前に41度もの高熱を発するアクシデントに見舞われたという。新型コロナウイルス、インフルエンザとも陰性だったが、1週間ほど動けない日々が続いた。当初は90ラウンドほど予定していたスパーリングも、50ラウンドほどに減らさざるをえなかったという。 ただ、そんなアクシデントも田中はプラスに捉える。「(スパーリングの)ラウンド数は少なかったが、1ラウンドに集中していけた。急ピッチの調整で難しいものはあったが、こういう調整もあるんだと。今でもきつい状況はたくさんあったし、今は不安はなくなった」という。 7日に田中が唯一の黒星を喫した井岡一翔がIBF、WBA世界同級王座統一戦でフェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)に判定負けでベルトを失った。映像で見届けた田中は「見ましたね。レベルの高い試合だった。もちろん、とても刺激になりました」。マルティネス陣営も田中との統一戦を視野に公言しており、今回の初防衛をクリアすればその機運も高まる。 田中は「(世界主要4団体の)ベルトをまとめたい思いはあります」ときっぱり。マルティネスの動向を見定めつつ、今回の試合後はビッグマッチへとかじを切る。【実藤健一】 ◆田中を囲むスーパーフライ級の現状 マルティネスが井岡との統一戦を制しWBAとIBFの統一王者となった。WBCは帝拳がプロモートするジェシー・ロドリゲス(米国)が20戦無敗(13KO)で戴冠。また暫定王者もWBAが16勝(11KO)1敗のデビッド・ヒメネス(コスタリカ)、WBCが42勝(22KO)4敗1分けの豊富なキャリアを誇るペドロ・ゲバラ(メキシコ)と強豪がそろう。