【山口県】「企業の気候変動対策」発表 レスポンシブ・ケア地域対話
周南コンビナートの13企業が参加する「第14回レスポンシブル・ケア(RC)山口東地区地域対話」が15日、周南市のホテルサンルート徳山で開かれた。住民と行政機関、企業から150人が出席して、企業によるカーボンニュートラルの取り組みの発表などがあった。 この事業は企業の環境保全や保安防災などの取り組みについて出席者と相互理解を深めるために毎年開かれ、西暦の偶数年は一般社団法人日本化学工業協会、奇数年は周南地区環境保全協議会が主催している。 RCは化学物質を扱う企業が自主的に「環境・健康・安全」を確保し、活動の成果を公表。社会との対話・コミュニケーションをとる活動とされている。
今回のテーマは「地球に優しい環境社会を目指して~気候変動への取り組み」。最初に企業を代表して代表幹事の日本ゼオン㈱の宮城孝一執行役員徳山工場長、来賓の藤井律子市長があいさつした。 基調講演では、県環境保健センター専門研究員の元永直耕さんが、下関市での観測で100年間に気温が1.8度上昇していることなど、気候変動の状況を説明。温室効果ガスを減らす「緩和」と熱中症予防や高温でも育つ農作物の品種開発など「適応」に分けて県の対策を紹介した。 企業発表は出光興産㈱と東ソー㈱の2社。出光興産は徳山事業所の具嶋文彦担当部長が同事業所のバイオマス発電の商業運転開始やアンモニアサプライチェーン構築検討などを紹介した。東ソーは南陽事業所のCO2削減・有効利用南陽タスクフォースチームリーダーの松村善則さんが発電所でのバイオマス燃料使用、バイオマス発電所建設、発電所・工場で排出される二酸化炭素を回収して原料として使う炭素循環技術の開発を紹介した。