[ピーマン」と「ししとう」どっちが栄養価が高い?おすすめの調理法は?管理栄養士が回答!
形の似ているピーマンとししとう。ピーマンとししとうの違いについて栄養価にも着目して解説します。 <写真>ピーマン」と「ししとう」どっちが栄養価が高い?おすすめの調理法は?管理栄養士が回答! ■ピーマンは甘唐辛子の仲間 ししとうとピーマンは同じナス科のトウガラシ属の甘味種に分類されます。ピーマンは唐辛子の辛味をなくし、大型に品種改良したものです。ししとうも同じく辛味のない唐辛子なので、見た目には大きさの違いがあるだけです。京野菜の一つである万願寺唐辛子も辛味がなくししとうやピーマンとよく似ています。 ■栄養価はししとうの方が高い ピーマンの方がししとうよりも大きく、栄養価が高いように思えますが実はししとうの方が栄養価が高いのです。カリウムやβ‐カロテン、ビタミンKやビタミンB1、B2、葉酸などはししとうの方がピーマンよりも多く含んでいます。しかし、ビタミンCの含有量はピーマンの方が多いです。カリウムには細胞内の水分量を調節し、血圧を安定させたり筋肉の収縮を助ける働きがあります。ビタミンKにはケガをした時に血液を凝固させ、骨粗鬆症を防ぐ働きが、β‐カロテンには皮膚や粘膜の健康維持や抗酸化作用があります。ビタミンKとβ‐カロテンは油に溶けやすい脂溶性ビタミンといわれており、炒め物のような油を使う調理法で効率よく摂取できます。ビタミンCには抗酸化作用があり体がサビるのを防ぎ老化防止に効果が期待できます。 ししとうとピーマンともに含まれている栄養素にはヘスペリジンという成分と色素成分であるクロロフィルがあります。ヘスペリジンは血管を丈夫にし、高血圧や脳出血のリスクを下げる効果が期待でき、クロロフィルには抗酸化作用があるためがん予防に役立ちます。 ■おすすめの調理法 ししとう、ピーマンともにビタミンCが多く含まれているので効率よく摂取するには加熱しすぎないことが重要です。できれば生食が良いですが、青臭さが気になる場合はさっと炒めたり加熱したりして食べましょう。ピーマン、ししとうのがく部分を取り除き、気になるようであれば種やわたを取り除きます。β‐カロテンやビタミンKを多く摂りたい場合は油を使った料理がおすすめです。 ■■生食のおすすめ料理 ・ピーマン(ししとう)のそぼろがけ 半分に切ったピーマン(ししとう)に甘辛く味を付けたそぼろ肉をのせる ・ナムル 薄くスライスしたピーマン(ししとう)に鶏ガラスープ、しょうゆ、砂糖、にんにく、ごま油を和える ・お好みのドレッシングをかけてサラダに ・冷奴にスライスしたピーマン(ししとう)と鰹節をのせしょうゆをかける ■■おすすめの加熱料理 ・ピーマン(ししとう)の甘辛炒め 食べやすい大きさに切り、さっと炒めて砂糖醤油で味をつけ鰹節や炒ったじゃこをかける ・ピーマン(ししとう)の天ぷら 天ぷら衣をまとわせさっと揚げる。生食でも食べられるので、外の衣に火が通ればOKです。 今が旬のピーマン、ししとうには栄養素がたくさん含まれているので様々な調理法で食卓に取り入れてはいかがでしょうか。 【参考文献】 文部科学省:食品成分データベース(ししとう、ピーマン) 高橋書店:あたらしい栄養学 ライター/まつおかあいこ 管理栄養士として保育園、病院での大量調理や栄養士業務を経験。調理経験の中で身に着けた知識をもとに、身近な食材についての記事の執筆を行っている。 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)