「トップ20を目指す」 国内IT市場で攻勢 26年度に売上高1600億円 タタ・コンサル日本法人
インドIT大手タタコンサルタンシーサービシズ日本法人の日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(日本TCS)が、2026年度の売上高を23年度の1.75倍となる1600億円(10億ドル)に拡大させる成長目標を掲げた。18日に開催した事業説明会で、サティシュ・ティアガラジャン社長は「TCSがグローバルで展開してきたビジネスを日本で加速させ、日本企業のコスト効率化などを支援していきたい」と意気込みを示した。 【関連写真】生成AIとロボットを組み合わせたピッキングシステムのデモ 日本TCSは、インド最大のコングロマリット(多国籍複合企業体)のタタ・グループの一員であるTCSと三菱商事の合弁会社として14年7月に発足。東京、大阪、名古屋の国内3拠点に加え、インド国内9カ所に日本企業専用のデリバリーセンターを設け、ITサービスを提供している。 サティシュ社長は、売上高の目標に加え、23年度1万500人の社員数を26年度には1万6000人に拡大し「国内ITサービス企業トップ20社入りを果たしたい」と力を込めた。 目標達成に向け、「AI(人工知能)とクラウド」「IoTとデジタルエンジニアリング」「サイバーセキュリティー」の3つのサービス領域で日本企業の支援を強化。同時に「日本企業のIT子会社」「パートナーエコシステム」「グローバルな日本企業」を3つの成長領域と位置付け、コスト最適化や海外進出を後押しする。 AI戦略では、日本のニーズに対応した専門家集団「AI CoE(センター・オブ・エクセレンス)」を社内に組織。生成AIを効果的に活用するため、企業それぞれの課題とニーズを探り包括的なシステム設計を支援する。 9月1日には、六本木オフィス(東京都港区)に開設した「TCS AI Studio」の本格稼働を予定。生成AIとロボットを組み合わせ、自然言語で出した指示に自律的に反応してピッキング作業を行うシステムなどTCSが展開するAI技術を公開する。
電波新聞社 報道本部