子どもの偏食に悩む人に朗報!野菜嫌いの子が自分から「食べたい」と言ってくれる調理法
「うちの子、好き嫌いが激しくて…」「野菜を食べないので心配なんです」そんな悩みを持つ人も多いのでは?実はそれ、対応を少し変えるだけで、今より食べられるようになるかもしれません。「食べない子専門」のカウンセラー・山口健太氏の著書『子どもも親もラクになる偏食の教科書』(青春出版社)から、家ですぐに実践できる、“子どもが自分から食べたくなるコツ”を少しだけお届けします。 ◇ ◇ ◇
「うちの子は野菜が嫌いで、毎日決まったものしか食べない。 どうすれば食べてくれるようになりますか?」
これは、偏食の典型的なケースともいえるでしょう。 このご相談にいらっしゃった方の2歳のお子さんは、毎日のメニューが餃子、フライドポテト、ミートボールなどに固定化されていて、それ以外の肉、魚、野菜などはほとんど食べません。小児科医からも鉄分不足が指摘されており、「もうどうすればいいかわからない」と悩む中、相談に来てくださったのです。 ご相談にいらっしゃったお母さんに、私はまず「お父さん、お母さんが楽しく食事すること」の大切さをお伝えしました。その上で、ヒアリングを行い、お子さんの好物から、食べられるもののヒントを探っていったのです。 話を伺うと、ファーストフード店の細切りのフライドポテトはよく食べるとのことだったので、食べられない食材の「ささみ」「ほうれん草」をフライドポテトの形状・味に近づけて、調理してもらいました。それぞれ、細長い形に切って小麦粉をつけて揚げ、少し濃い塩味にしてもらったのです。 調理に工夫を凝らしても、お腹が空いていないと子どもは食べてくれません。そのため、間食を減らしてお腹を空かせたり、好きなものを出しすぎないよう食事全体の量の調整も同時に行いました。調理の工夫と同時に、「食べたい」という気持ちをつくることも行ってもらったのです。 この結果、お子さんは工夫して調理したささみとほうれん草を食べ「もっとこれ、食べたい」と、積極的に口をつけてくれるようになりました。
子どもが野菜を食べるきっかけになりやすいのが、 “野菜に小麦粉をつけて揚げる”方法
今回のように小麦粉をつけて揚げる調理法は、比較的子どもが口にしやすいものです。 カリカリした食感が好きな子の場合は、厚切りよりも千切りのほうがおすすめ。カリッと揚がりやすく、見た目も子どもが好きなことが多い「フライドポテト」のようになるので、お子さんにとって、試しやすいのでしょう。 このお子さんが今後、食を広げるためには ●形を大きくしていく 千切り→細切り→短冊切り→...一口大 ●衣の量を少なくしていく 最初は衣を多めにつけて→次第に素揚げに近い形にしていく ●塩味を少しずつ薄くしていく などの工夫をしていくと、だんだん食べられる種類が増えていきます。揚げたものをある程度、食べられるようになったら「他の調理法でも食べられないか?」を考えていきましょう。 もし、感覚的な問題で「カリッとした食感のものが食べやすく、ドロッとしたものは苦手」な子の場合は、 揚げたもの→しっかりと硬く焼いたもの→やわらかな食感に焼いたもの→煮物 というようなイメージで、時間をかけて少しずつ食を広げていくといいでしょう。 食感を変えるのであれば、できるだけ、見た目(形状)は食べられる状態から変化させないようにします。千切りや細切りの揚げ物なら食べる場合、揚げ物から焼き物に変化させるときにも形は変えないでおきましょう。変化はスロープのように、ゆっくりと徐々に、を意識してくださいね。 子どもが受け入れられる感覚が増えてきたら、少しずつ形状も変え、受け入れられる形状を増やすと、食べられるものが増えていきます。子どもが食材に慣れてきたら、「調理を工夫したもの」と「同じ食材を少量、普通に料理に使ったもの」を並べて、「同じ食べ物なんだよ」と伝えていくと、食べられる料理のレパートリーが広がることもあるので、試してみてください。 本文は『子どもも親もラクになる偏食の教科書』(青春出版社)より一部抜粋・編集しています。 画像提供:Adobe Stock