舞台「天才バカボンのパパなのだ」が開幕。ゲネを終えた男性ブランコ浦井が「ようやくどういう芝居なのか理解できた」
舞台「天才バカボンのパパなのだ」が2月21日から東京・下北沢の本多劇場で開幕した。今回の公演ではお笑いコンビ「男性ブランコ」の浦井のりひろ、「うるとらブギーズ」の佐々木崇博、「ジェラードン」のかみちぃ、「エルフ」のはるの芸人4人が演劇初挑戦にして日本を代表する劇作家・別役実の戯曲に挑んだ。 同作は1978年に初演された作品。赤塚不二夫の漫画「天才バカボン」と別役の不条理な世界観が絡まり「脱線に次ぐ脱線で物語としての意味を成さず、気がついたら終わっているという内容」(演出の玉田真也)という難解なもの。 公演に先駆け公開ゲネプロが行われ、その後の取材会では署長役の浦井が「少しだけですが初めてこの芝居を見る方にお客さんとして座っていただいて、ようやくこの舞台がどういう性質のものなのかというのが分かったというか“こういう芝居なんだ”ということが理解できたというか。早くお客さんの前でやってみたいなという気持ちでいる」と語るように観客や取材陣の反応にやっと手応えを感じたよう。
玉田は今回の演出について「本多劇場は空間は大きいが、小さい声で喋っても奥まで届く劇場。すごく大きな演劇じゃなくてもちゃんとできる使いやすい劇場だなと思った。今回は芸人さんと俳優さんが一緒にやる。別役実という人の古い戯曲なんですが、完成形がドリフのコントみたいになればいいなと思った。一人真ん中にいる人がどんどんひどい目に遭わされていって、でもそのさまが笑えるようになればいいなと思った。浦井さんがいかりや長介で、周りの人たちにやられる。そういうお芝居になればいいなと思って演出していました」などと語った。 バカボンのパパとママは市川しんぺー、浅野千鶴といった小劇場出身の芸達者が務める。 玉田の言葉を受けて市川も「小さな声が聞こえるということは小さな空気感も伝わるんだろうなと思う。いつも個人的には雑なでかい感じの“わー”って感じの芝居ばっかりやっているんですが、そういう細かいところも大事にしながらやっていかないといけないなと改めて思いました。この本に合っている空間なんじゃないかなと思いました」と続けた。 意外にも本多劇場の舞台に立つのは初めてという浅野は「演劇をやっていれば誰でも聞いたことのある別役実さんという方の脚本で、高校生のころからいつか立ちたいと思っていた本多劇場でお芝居ができるということは感慨深くてありがたい気持ちでいっぱいです」と語った。