「満足はしてない」井上尚弥が明かす今後のキャリア「あと一歩いけるんじゃないか」…モンスターに問うた“人生における小さな幸せ”
初回にダウンを喫したものの、結果は完勝。「ネリにパワーは感じなかった」と振り返る怪物がこれからの展望を明かした。発売中のNumberに掲載された井上尚弥ロングインタビューの一部を抜粋して特別に公開します。<全2回の後編/前編も読む> 【初出:発売中のNumber1097号[ロングインタビュー]井上尚弥「もっと強くなれる手応えを得て」より】 【衝撃写真】「ネリの顔が大変なことに…」井上尚弥のエグい右でネリの顔面がゆがみ「グシャリと崩れ落ちた」衝撃KOの連続写真も一気に見る(全50枚)
今後のキャリアについて
――東京ドーム興行にあたり、「これは集大成じゃない。ここからキャリアを加速させていく」と発言していました。いまのところ9月に防衛戦という路線になっています。今後の話も聞かせてください。 「防衛戦をするのは当たり前だと思うんですよ。敵がいないからフェザー級に上げればいい、という声も耳に入ってますけど、それはちょっと無茶な話ではないか、というのが自分の感想です。それを言ったら『どこまで上げればいいの? 』っていう話になりますよね。だからたとえばグッドマンにしても、1位にランクされてる選手ですから、やるべき相手だと思ってます」 ――チャンピオンとして挑戦者にチャンスを与えるのは大事な仕事だと思います。 「相手がどうこうじゃなく、自分のパフォーマンスを見てほしいという気持ちはありますよ。今、具体的にフェザー級に上げるということは考えてないですし」 ――バンタム級、スーパーバンタム級の2階級で4団体統一を達成し、東京ドーム興行を成功させ、アメリカの専門誌『ザ・リング』のパウンド・フォー・パウンド・ランキングも1位に返り咲きました(その後再び2位に)。今さらではあるのですが、これで満足しないところが井上選手のすごさだと感じています。 「そうですね、満足はしてないですね」
最後はフェザー級でという気持ちも
――満足したら辞めるときですか。 「そうですね、いいんですけどね、次の試合が終わって『引退しまーす』って」 ――驚きの発言です。 「それはないにしても、それくらいの結果は出してきてると自分でも思ってますから。ただ自分には『最後にフェザー級で』っていう気持ちもどこかしらにはある。やっぱりまだまだ満足できないというか、あと一歩いけるんじゃないかなって思うところが見えてるんですよ」 ――だからこそ減量を含めて新しいことにもトライしているわけですよね。 「本当にスーパーバンタムで限界の体だったら、もうやることもなくなっちゃうかもしれない。次はグッドマンなのか、ドヘニーなのか分からないですけど、やるっていうことは、スーパーバンタム級でやっていく中でしっかりとフェザー級の体を作り上げていくっていうものが“どこかしら”にはあるんですよ。あくまで“どこかしら”になんですけど」
井上尚弥の人生における小さな幸せとは?
常に大きな期待をかけられ、その期待にこたえ、さらに大きな期待を背負う。モンスターのキャリアはその繰り返しだった。そんな井上に「今、人生における小さな幸せを教えてください」と問うと、こんな答えが返ってきた。 <インタビュー前編から続く>
(「NumberPREMIER Ex」渋谷淳 = 文)
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