収入が増えても貯金できない「ライフスタイル・クリープ」に陥らない方法とは?
昇進して年収が上がった、借金を完済した、投資でようやくリターンが出てきたなど、どんな理由であれ、あなたが日常的に使えるお金の予算が増えたとします。 過去の記事では、朝のアイスコーヒーのような小さな買い物がその人の長期的財務状況に与える影響を過大に論じる風潮があることに触れました。 しかし、収入が増えれば増えるほどお金を使ってしまい、将来に備えて貯蓄に充てる額は増えないという罠には気を付けるべきです。 収入と支出が平行して増加してしまうのは、「ライフスタイル・クリープ」と呼ばれるコンセプトに起因しています。 厳しいインフレと戦わなければいけない今、小さな贅沢を積み重なったせいで家計がくるってしまった…なんてことは絶対に避けたいものです。 そこで、ライフスタイル・クリープの実害と、回避するためにできることをご紹介します。
ライフスタイル・クリープとは?
ライフスタイル・クリープとは、収入が増えるにつれて出費が増え、ゆっくりと、しかし確実に、より贅沢な新常識に適応していくパターンのこと。 そして、贅沢とは相対的なものであり、多くの人にとってライフスタイル・クリープとは、給料日前の節約生活と、週に何度もフードデリバリーや外食をして快適に過ごすことの違いです。小さな贅沢でも積み重なることで膨大な費用になります。 今起きているような、自分ではどうにもできないインフレに対処する場合、コントロールできるものは何でも着手すべきです。 つまり、膨れ上がったライフスタイルのコストを抑えるのが一番なのです。
予算を立てて、必ずその範囲で暮らす
人によって最適な予算は異なりますが、「50/20/30方式」は人気があるので、試してみましょう。大まかな内訳は次のとおり。 毎月の支出の50%を必需品に使う:家、交通、食事など。 毎月の支出の20%を貯蓄する:借金の返済もこのカテゴリーに入れる(借金を完済すると、そのあとの貯蓄が促進するため)。 毎月の支出の30%をその他の支出に充てる:ジムの会費、旅行、ギフト、外食など。 当然ながら家計は千差万別なので、「これが絶対正しい」という魔法のスプレッドシートは存在しません。自分の状況に合うものを見つけるには、試行錯誤が必要なのです。 しかし、予算を立てるときには以下の2つの留意点を押さえることをおすすめします。 1. お金の使い方を点検する 予算を立てたら、次はそれを守ることです。 まず、銀行の明細書を見て、本当にお金を使う価値があることに支出しているのか(ずっと使っていないサブスクにお金を落としていないか )を見直すところからはじめましょう。 気づかなかった出費やストレスが原因の出費など、驚くほど多くの出費を削減できるかもしれません。 不要な買い物をしないためのシンプルなコツは、買う前に買いたいものを書き出しておくこと。この「買いたいものリスト」の項目を読み返すと、本当に必要なものをより慎重に判断できるようになります。 2. 緊急時のための資金を貯める ライフスタイル・クリープの主な問題は、緊急時の資金を増やすことができないことです。 収入が増えたにもかかわらず貯蓄に充てる額が増えないなら、増収分をライフスタイルの小さな変化に充てている可能性があります。貯蓄に充てる額を常に把握し、収入が増えたら貯蓄する額もそれに応じて増やしましょう。
自分へのご褒美もたまにはOK
身の丈に合った生活をすることは、決して厳しく質素な生活をすることではありません。時には自分を甘やかして幸福感を味わいましょう。それでお金に対する意識が好転するならなおさらです。 NPRが説明しているように、自分へのご褒美に出費するときにじっくり考えることが重要なのです。たとえば、家族旅行では贅沢をしてもテイクアウトの注文は控えるといった感じかもしれません。 吟味してお金を使い、余計なことに無駄遣いをしていないと自信を持てれば、お金に関する大きな判断がもっと上達するはずです。 ──2022年10月27日の記事を再編集のうえ、再掲しています。 訳:春野ユリ Source: NPR
ライフハッカー・ジャパン編集部