公取委、日産に下請法違反勧告 36社から30億円減額
下請け業者への支払代金を不当に減額したのは下請法違反(代金減額の禁止)に当たるとして、公正取引委員会は7日、日産自動車に再発防止を勧告した。約2年間に部品メーカーなど36社を対象に、一度決まった支払代金から計30億円超を減額したと認定した。減額幅は日産と下請け間で協議して決め、覚書も交わしていた。違法な商慣行は数十年前から常態化していたとみられ、公取委は下請法が順守される体制を社長を中心に整備するよう日産側に求めた。 公取委は同様の減額強要などの下請けいじめが自動車業界で相次いでいる点を問題視。業界団体の日本自動車工業会にも再発防止を申し入れるとした。 公取委の片桐一幸取引部長は記者会見で「中小企業の賃上げ実現のために(コスト上昇分の取引価格への)価格転嫁が強く求められる中で、サプライチェーン(供給網)の頂点に立つ企業によって下請法違反が行われてきたことは非常に遺憾だ」と述べた。日産に対し、定期的な監査や研修の実施を求めた。
日産は「大変重く受け止める」とのコメントを発表した。