尽誠学園、四国学院香川西との打ち合いをPK戦で制し3大会ぶり3度目のインターハイ出場
今年から福島県開催となる全国高等学校体育大会(サッカー競技)男子の切符をかけ36校が参加し5月25日に開幕した令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)香川予選。3回戦から準決勝までの3日間連続開催から中4日となった6月8日には12時から香川県高松市の香川県総合運動公園サッカー・ラグビー場において、3大会ぶり3度目のインターハイ出場を王手をかけた尽誠学園と、4大会ぶり13度目のインターハイ出場を期す四国学院香川西との決勝戦が開催された。 【フォトギャラリー】四国学院大学香川西 vs 尽誠学園 両校のスタートフォーメーションは以下の通り。まず3回戦でシード校の藤井学園寒川に3-2で競り勝ち、準決勝では現在JFAプリンスリーグ四国で3位の大手前高松にも3-0と快勝した尽誠学園はダブルボランチを配した「4-4-2」。スターティングイレブンはGKに1冨家巧充(3年)。4バックは右から2三谷龍之介(2年)、4稲田侃太(3年)、キャプテンの3林一朗(3年)、5湊斐可琉(3年)。中盤はダブルボランチが17毛利泰賀(2年)と6東川一輝(3年)、右サイドハーフには11上野山碧人(3年)、左サイドハーフに9山口悠大(3年)。2トップは15石田美來翔(2年)と7石川碧貴(3年)である。 対して現在JFAプリンスリーグ四国では6試合を終えて10チーム中8位と苦戦中。今大会初戦2回戦では藤井にスコアレスPK戦と苦しんだものの、以後は準決勝・高松商戦の1-0含め、4試合連続無失点を続けてきた四国学院大香川西は「4-1-4-1」。スターティングイレブンはGKは1阿久津凱利(3年)。4バックは右から5細川俐空(1年)、4高金宏人(3年)、3伊地知柊也(3年)、2中川創太(2年)。中盤はアンカーに6大坪侑燎(2年)が入り、その前に右から7(3年)、8古畑大弥(3年)、11本田翼(3年)、9植田絆(1年)の4枚。ワントップはキャプテンマークを巻いた10玉田滉喜(3年)。 なお、四国屈指のスピードスターである四国学院大香川西MF森川海人(3年)は4月27日の四国プリンス第4節からベンチを外れており、今大会も登録外となっている。 試合の前半はピッチ上空に軽い失点を回避するクリアボールと、相手DFラインを下げさせるための前線へのロングボールが飛び交った。よってデュエルがピッチの各所で生じる中、尽誠学園は準備されていたであろうコンビネーションプレーを駆使しシュートを8本放つもゴールはならず。0-0で前半を折り返した。 迎えた後半早々、先に試合を動かしたのは前半シュート0に終わった四国学院大香川西である。37分、自陣で右サイドから送り込んだ6大坪のロングボールを受けた10玉田の仕掛けに尽誠学園守備網が集結すると、10玉田がフリーランしていた6大坪へマイナスパス。6大坪がすかさず入れた右クロスに突っ込んだ8古畑のヘディングシュートは弧を描きながらゴールに入った。 耐えながらも狙い続けていたカウンターを見事に決め、その後は敵陣にボールを送り込むことで時間を使いにいく四国学院大香川西。が、「インターハイ前に母校の高知大に協力して頂いて練習試合をしてフィジカル感覚を学んだし、前半には意図してやった」(明比隼希監督)デュエル合戦で相手が本来得意とする前線の圧力を弱めていた尽誠学園は、まったく慌てていなかった。 51分には6東川を起点に11上野山のパスを受けた17毛利が決め同点に追い付くと、続く58分には15石田のスルーパスに抜け出した9山口が相手GKとの1対1を制し逆転。スピードと技術、戦術を組み合わせ大会準決勝までの4試合で17得点をマークしてきた攻撃陣がここでも真価を発揮した。 しかし、四国学院大香川西の勝負強さもまた互角。65分には10玉田のパスを受けた途中出場のMF19齋藤亮太(3年)が決めて再び2-2の同点とすると、10分ハーフの延長戦でも尽誠学園を押し込む展開に。ただ、尽誠学園守備陣も3林を中心にゴールを割らせず。インターハイ切符の行方は尽誠学園1冨家と延長戦終了直前に交代で入った四国学院大香川西GK17城下虎太郎(3年)によるPK戦に委ねられることになった。 そしてお互い1人をセーブしあって迎えた8人目。先蹴りの四国学院大香川西が枠を外したあと、すでに蹴る前から涙していた15石田がシュートを決めた瞬間、ノーシードスタートだった尽誠学園の3大会ぶり3度目のインターハイ出場が決まった。 「このチームは前回インターハイ出場を見て憧れた中学3年生が3年生の年代。その時にインターハイ出場が決まって本当に良かったです」と感慨深げに話したのは長年尽誠学園を指揮してきた森陽介総監督。かくして先輩たちが作った歴史をつなげた尽誠学園は、福島のピッチで3年前、初戦で東海大山形にスコアレスPK戦で敗れた先輩たちの悔しさを晴らし、2003年初出場時にあげた1勝を積み上げる新たな歴史を紡ぎにいく。 (取材=編集部)